この記事の要点: 株式会社ダイセルは、アバターやAI技術を手掛けるAVITA株式会社と共同で、フィジカルAIを活用した次世代工場の実現に向けた実証実験を開始します。2026年12月より、ダイセルの大竹工場(広島県)において、四足歩行ロボットを用いた製造プラント内の巡回および設備点検の検証を行います。実際の工場環境における実用性や安全運用の条件を評価し、人による点検業務の支援や代替を目指す方針です。
発表内容のポイント
- 四足歩行ロボット「Unitree Go2」を使用し、大竹工場内の巡回・設備点検を検証
- ダイセルの現場知見とAVITAのAI・ロボティクス技術を組み合わせた共同開発
- 2026年8月からの走行テストを経て、12月より自律走行による本格検証へ移行
発表の背景
製造現場では、安全・安定操業を維持するために多くの点検業務を人が担っていますが、危険を伴う作業や深夜・早朝の対応、身体的負担が課題となっています。また、少子高齢化に伴う人手不足や、ベテラン従業員の技術・ノウハウの継承も急務です。ダイセルは中期戦略「Accelerate 2030」において「やさしいモノづくり」を掲げており、自律した生産体制の構築と労働環境の整備を目指して本実証に至りました。
何が発表されたのか
共同実証では、初期検証として四足歩行ロボット「Unitree Go2」を導入します。AVITAがプラント環境や点検業務に最適化したフィジカルAI(センサーやカメラで状況を認識し、ロボットを制御する技術)を開発・検証します。ダイセルは実証フィールドの提供、現場課題の整理、点検要件の定義、実用化に向けた評価を担当。今後は検証結果を踏まえ、対象業務に最も適したロボット機体やシステム構成を選定し、実用化に向けた開発を進める計画です。
製造業・生産管理への見方
化学プラントのような広大かつ複雑な製造現場において、ロボットによる自動巡回とAIによる異常検知の仕組みが確立されれば、保安力の向上と省人化に大きく寄与します。ダイセルはすでに網干工場において、人が五感で行う設備点検をセンシングやAIで代替する「五感点検強化」の実証を2025年12月から開始しています。今回のフィジカルAIとロボットの掛け合わせは、現場作業そのものを物理的に代替・支援するアプローチであり、製造業DXの先進的な事例として注目されます。
現場で確認したいポイント
- 防爆エリアなど化学プラント特有の厳しい環境下におけるロボットの稼働安定性
- 段差や配管が入り組んだ実工場内での自律走行ルートの確保と安全対策の基準
- 既存の監視システムや保全管理データと、ロボットが得た点検データの連携方法
確認しておきたい点
本実証は初期検証として特定の四足歩行ロボットを使用する段階であり、実際のプラント全体への本格導入や、他工場への展開時期、具体的な投資対効果については現時点で明らかにされていません。
出典情報
| 出典 | PR TIMES |
|---|---|
| 発表企業 | 株式会社ダイセル |
| 発表日時 | 2026-09-17 11:30:01 |
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