この記事の要点: アセンド株式会社など5社は、トラック運送事業者を対象とした「運送会社の原価活用・コスト上昇対応に関する実態調査」の分析レポートを公開しました。直近1年で運送原価が5%以上上昇したと回答した企業が約9割に達する一方、その上昇分を運賃に半分以上反映できた企業は27.3%にとどまることが判明。価格転嫁の成否を分けるのは、企業規模ではなく原価管理の「粒度」と「活用」であることが明らかになりました。
発表内容のポイント
- 直近1年で運送原価の上昇を実感した企業は9割に上るが、価格転嫁できたのは3割弱
- 原価を記録・集計できても、分析や改善などの「活用」まで至る企業は4社に1社のみ
- 荷主やコース単位で細かく原価を把握している企業ほど、価格転嫁の成功率が高い傾向
発表の背景
トラック運送業界は社会インフラとして重要な役割を担う一方、営業損益率が約0%と厳しい経営環境にあります。原価計算自体は8割以上の事業者が実施しているものの、主要業種の中でも価格転嫁率は最下位水準にとどまっていました。こうした背景から、原価計算が運賃交渉や経営判断に活かされていない実態を可視化し、データに基づく意思決定を支援するために本調査が実施されました。
何が発表されたのか
調査結果によると、原価を全社的に記録・集計している企業は60.1%に達するものの、分析や改善に活用できている企業は27.3%にとどまりました。しかし、原価を「荷主・コース単位」や「案件別」まで細かく分析している企業は、コスト上昇を半分以上反映できた割合が35.2%となり、全社・営業所単位にとどまる企業の2倍以上の転嫁率を記録。さらに、原価を活用できている企業は平均3.96個の施策を組み合わせており、記録のみの企業に比べて打ち手の幅が広いことも分かりました。
製造業・生産管理への見方
製造業や生産管理の担当者にとって、物流コストの適正化とサプライチェーンの安定維持は極めて重要な課題です。本調査は、運送事業者が「荷主・コース単位」の細かな原価データを持つことで、より具体的で説得力のある運賃交渉に臨んでいる実態を示しています。荷主側となる製造企業としても、単なる一律のコスト削減要求ではなく、配送ルートや案件ごとの原価構造を理解した上での、データに基づく適正な取引価格の交渉や物流効率化の共同推進が求められます。
現場で確認したいポイント
- 自社の物流委託先から提示される運賃交渉の根拠が、コースや案件単位の原価に基づいているか
- サプライチェーンの安定に向け、委託先運送会社の原価管理やDX推進状況を把握できているか
- 一律の価格交渉ではなく、配送効率の改善や荷待ち時間の削減など、原価低減に繋がる協業が可能か
確認しておきたい点
本調査はトラック運送事業者198社からの回答に基づくものであり、すべての運送会社や荷主企業に一律に当てはまるものではありません。また、具体的な原価計算の手法やシステム導入にかかるコストについては、各社の状況に応じた個別検討が必要です。
関連リンク
- 発表企業サイト:アセンド株式会社の公式ホームページです。
- 調査レポート詳細ページ:運送会社の原価活用に関する調査レポートの詳細です。
- 発表企業のPR TIMESページ:アセンド株式会社のプレスリリース一覧です。
出典情報
| 出典 | PR TIMES |
|---|---|
| 発表企業 | アセンド株式会社 |
| 発表日時 | 2026-08-04 10:00:50 |
| 元記事 | PR TIMESで読む |