この記事の要点: 株式会社シュタインズは、東京証券取引所の上場企業約3,500社のIRサイトを対象に、生成AIが情報を読み取り投資判断に活用できるかを評価した「AI IRスコア」を公開しました。調査の結果、全体の平均スコアは29.6点、中央値は20.0点にとどまり、全体の70.7%にあたる企業が50点未満という結果になりました。AIを活用した企業分析が進むなか、多くの企業で情報がAIに正しく届いていない実態が示されています。
発表内容のポイント
- 東証上場約3,500社のIRサイトをAIの機械可読性観点から全数スコアリング
- 全体の7割超が50点未満で、PDFやJavaScript依存のサイトは平均5.9点と低迷
- 最も重要な業績数値の開示項目において、53%の企業がAIに認識されず0点評価
発表の背景
新NISAの開始や東証による資本コストを意識した経営要請により、企業の情報開示への注目が高まっています。さらに、生成AIの普及に伴い、投資家が銘柄選定や企業分析にAIを用いる動きが急増しています。しかし、従来のIR評価は定性的なものが中心で、AIなどのコンピュータが読み取りやすい「機械可読性」を定量的に測定する基準が存在しなかったため、今回の全数調査が実施されました。
何が発表されたのか
調査結果によると、情報の開示形式によってスコアに大きな差が生じています。情報が静的HTMLで記述されている企業群の平均が43.3点だったのに対し、PDFやJavaScriptに依存している企業群は平均5.9点にとどまりました。特に、投資判断の基礎となる業績数値は、53%の企業でAIが確認できず0点と判定されています。これは、数値データが決算短信などのPDF内に集約され、HTML上で抽出できない構造になっていることが原因と分析されています。スコアは時価総額の規模と一定の相関があるものの、5000億円以上の大企業でも平均44点にとどまり、規模が必ずしも機械可読性を保証しない現状が明らかになりました。
製造業・生産管理への見方
製造業や生産管理の分野では、DX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として、工場内のデータ連携や生産情報の構造化が進められています。しかし、企業全体の顔であるIR情報や財務データの開示において「機械可読性」が考慮されていない場合、市場や投資家向けAIから「情報が存在しない」とみなされるリスクがあります。自社の優れた生産体制や中期経営計画の数値目標を正しく市場に伝えるためにも、PDFに依存したデータ開示から、AIが巡回・抽出しやすいHTML構造への転換など、情報発信におけるデータ構造化の視点が求められます。
現場で確認したいポイント
- 自社のIRサイトや決算情報が、PDFやJavaScriptに過度に依存した構造になっていないか
- 中期経営計画の数値目標や業績数値が、AIが抽出可能なHTMLテキストとして配置されているか
- 自社の広報・IR部門において、AIによる情報収集を意識したデータ設計の知見があるか
確認しておきたい点
本スコアはAIによる自動評価であり、IRサイトの機械可読性を評価したものです。企業の業績や株価の見通し、投資推奨を示すものではありません。また、評価アルゴリズムのアップデートによりスコアが変動する場合があります。
関連リンク
- 関連ページ(ニュース記事):AI時代のIR発信について代表に取材した記事
- 発表企業のPR TIMESページ:株式会社シュタインズのプレスリリース一覧
出典情報
| 出典 | PR TIMES |
|---|---|
| 発表企業 | 株式会社シュタインズ |
| 発表日時 | 2026-07-09 09:00:02 |
| 元記事 | PR TIMESで読む |