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半導体配線界面の化学構造変化を可視化、東レリサーチセンターらが新解析技術

東レリサーチセンターと芝浦工業大学が、AFM-IRを用いてCu配線とLow-k絶縁膜界面のナノスケール化学構造変化を直接観察することに成功。製造プロセス改善や歩留まり向上への貢献が期待されます。

生産現場のシステムNAVI編集部
半導体配線界面の化学構造変化を可視化、東レリサーチセンターらが新解析技術

この記事の要点: 株式会社東レリサーチセンターと芝浦工業大学の田邉匡生教授は、原子間力顕微鏡赤外分光法(AFM-IR)を用いて、半導体配線のCu(銅)配線とLow-k絶縁膜の界面近傍におけるナノメートルスケールの化学構造変化を直接観察することに成功しました。従来の赤外分光法では測定領域が広く困難だった局所的な評価を可能にし、半導体デバイスの性能低下要因の解明や製造プロセスの改善に貢献する技術として期待されています。

発表内容のポイント

  • AFM-IR技術により、Cu配線とLow-k絶縁膜界面のナノスケール解析に成功
  • 絶縁特性低下の原因となるメチル基の減少や水酸基の増加を直接可視化
  • エッチングや洗浄、CMPなど半導体製造工程におけるダメージ評価に有効

発表の背景

AIやデータセンター向け半導体の微細化に伴い、信号遅延やリーク電流を防ぐため、低誘電率材料であるLow-k絶縁膜とCu配線の組み合わせが不可欠となっています。しかし、エッチングや洗浄、CMPなどの製造工程において、界面近傍に微小な化学構造変化が生じ、これが絶縁特性の低下を招くことが課題でした。従来の赤外分光法では測定領域が数マイクロメートル以上と広く、数十ナノメートルスケールの局所的な変化を直接評価することが困難でした。

何が発表されたのか

共同研究グループは、半導体配線構造を模擬したCu/Low-k絶縁膜試料に対し、AFM-IRを用いて界面近傍の化学構造を調査しました。その結果、Low-k絶縁膜の中央部と比較して、Cu配線から数十ナノメートルという極めて狭い領域において、低誘電率特性の維持に重要なSi-CH₃(メチル基)やSi-H結合が減少し、水酸基(OH)に由来する成分が増加していることを突き止めました。この局所的な化学変化の直接観察により、製造工程が材料に与える影響を官能基レベルで詳細に把握できるようになります。

製造業・生産管理への見方

半導体製造の現場において、歩留まり向上やデバイスの信頼性確保は極めて重要なテーマです。本技術の確立により、エッチング、洗浄、CMPといった各製造プロセスが配線界面に与えるダメージや材料劣化をナノスケールで比較評価することが可能になります。これにより、製造条件の最適化やプロセス改善のスピード向上が期待できるほか、次世代半導体に向けた新規材料開発における評価手法としても、生産管理や開発部門に新たなアプローチを提供します。

現場で確認したいポイント

  • 自社の半導体製造プロセスにおける界面ダメージの評価手法として活用可能か
  • Low-k絶縁膜などの先端材料開発において、ナノスケール解析の導入余地があるか
  • エッチングやCMPなどの各工程条件が材料特性に与える影響を定量化できているか

確認しておきたい点

本技術は半導体配線構造を模擬した試料を用いて実証されたものであり、実際の多様な量産ラインのデバイス構造や異なる材料構成に対して、どの程度スムーズに測定・解析を適用できるかについては、個別案件ごとの検証が必要です。

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出典情報

出典 PR TIMES
発表企業 株式会社東レリサーチセンター
発表日時 2026-08-28 11:10:01
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