この記事の要点: アークエル株式会社は、同社代表取締役CEOの宮脇良二氏が筆頭著者として執筆した共著論文が、世界最大の経営学会である米国経営学会(Academy of Management、AoM)の2026年次大会において、ONE(組織と自然環境)部門の優秀論文賞(Best Paper)に選出されたと発表した。本論文は、佐賀市清掃工場におけるCO2回収・利用(CCU)技術の導入と、地域エコシステムの形成プロセスを分析した実証研究である。
発表内容のポイント
- 佐賀市清掃工場のCCUと周辺施設による循環型エコシステムを対象とした実証研究
- 市場が未成熟な状況下で、いかにして循環型の取り組みが持続したかを定性的に分析
- 世界最大の経営学会AoMのONE部門において、特に優れた研究として受賞を達成
発表の背景
従来のサーキュラーエコノミー研究では、回収した副産物を循環させるための「市場の形成」が活動継続の前提とされてきた。市場が存在しない場合、プロジェクトは実証段階で頓挫しやすいと考えられていたが、現実には市場が未成熟でも活動が継続する事例が存在する。本研究は、そうした市場不在の状況下で循環型エコシステムが維持・発展するメカニズムを解明することを目指して行われた。
何が発表されたのか
研究対象となったのは、佐賀市清掃工場に設置されたCO2回収装置(CCU)と、その周辺のCO2利用施設からなるエコシステムである。論文では、成熟したCO2利用市場がない中で、多様な関係者が対話や実験を継続してきたプロセスを分析した。その結果、「市場の不在」と「ネガティブ・マテリアリティ(負の物質性)」という条件下において、関係者間の摩擦を吸収しながら実験を止めない「再生型の組織化(リジェネラティブ・オーガナイジング)」というダイナミクスが機能していたことを明らかにした。
製造業・生産管理への見方
製造業や産業廃棄物処理の現場において、脱炭素やサーキュラーエコノミーへの対応は急務となっているが、回収した資源やCO2の売却・利用市場が十分に確立されていないケースは少なくない。本研究は、市場や経済的インセンティブが未整備な段階であっても、地域のステークホルダーや関連企業が連携し、小規模な実験や対話を積み重ねることで、持続可能な循環型システムを構築・維持できる実例を示している。製造業DXやグリーンイノベーションを推進する上で、技術的な最適化だけでなく、関係者を巻き込む組織化のプロセスが重要であることを示唆する内容である。
現場で確認したいポイント
- 自社の脱炭素・循環型プロジェクトにおいて、市場未成熟を理由に停滞している活動はないか
- 地域の自治体や他産業の事業者と連携し、副産物やCO2を相互利用する枠組みを検討できるか
- 技術の導入だけでなく、関係者間の合意形成や実験を継続するための体制が整っているか
確認しておきたい点
本研究は佐賀市清掃工場の事例をもとにした定性的なプロセス事例研究であり、特定の製造現場や異なる地域特性を持つプロジェクトにそのまま適用できる汎用的な数値目標や導入手順が示されているわけではない。
関連リンク
- 発表企業サイト:アークエル株式会社の公式ホームページです。
- 発表企業のPR TIMESページ:アークエル株式会社のプレスリリース一覧です。
出典情報
| 出典 | PR TIMES |
|---|---|
| 発表企業 | アークエル株式会社 |
| 発表日時 | 2026-08-05 10:00:02 |
| 元記事 | PR TIMESで読む |