この記事の要点: 古野電気株式会社は、日本船舶海洋工学会の春季講演会において、「自動運航船開発のためのシミュレーション基盤」に関する研究成果を発表しました。世界的な船員不足や安全性向上を背景に自動運航船への期待が高まる中、設計・建造プロセスの複雑化が課題となっています。同社は東京大学の社会連携講座「海事デジタルエンジニアリング(MODE)」に参画し、システム設計と検証を一体で支える共通基盤の構築を進めています。
発表内容のポイント
- 自動運航船の複雑なシステム設計に対応するシミュレーション基盤を開発
- 自動車や航空分野で先行するMBDおよびMBSEの手法を海事分野に導入
- ステークホルダーのニーズとシステム設計の対応関係を可視化し共有を容易に
発表の背景
船舶の設計・建造プロセスが複雑化する中、開発の効率化と品質確保を両立させる手法として、モデルベース開発(MBD)やモデルベース・システムズエンジニアリング(MBSE)が注目されています。古野電気は、無人運航船プロジェクト「MEGURI2040」のコンソーシアムや、東京大学のMODEプロジェクトに参画し、業界各社と連携しながら次世代の海上物流を支えるシミュレーション共通基盤の構築に取り組んできました。
何が発表されたのか
今回発表された研究成果では、ステークホルダーのニーズとシステム設計の対応関係を重視したシミュレーション基盤が開発されました。シミュレーション基盤自体も複雑な構造を持つため、設計にMBSEを取り入れることで、設計意図を関係者間で共有しやすくしています。今後は、設計段階にある機能の実装を進めるとともに、この基盤を関係者間で共有・活用し、これまで把握しきれなかったニーズの掘り起こしと設計への反映を進める計画です。
製造業・生産管理への見方
製造業や生産管理の視点において、本発表は複雑なシステム製品の開発プロセスを効率化する「モデルベース開発(MBD/MBSE)」の具体的な実践例として重要です。自動車や航空宇宙分野で培われた設計・検証手法が、海事・造船という巨大で複雑な製造分野へ展開されている動きを示しています。シミュレーション基盤を通じて設計段階での動作検証を高度化することは、手戻りの削減や開発期間の短縮に直結するため、製造業DXにおける設計部門と生産準備部門の連携強化の参考になります。
現場で確認したいポイント
- 自社の製品開発プロセスにおいてMBDやMBSEを導入・応用できる領域があるか
- 設計段階でのシミュレーション活用により、試作や検証の手戻りを削減できるか
- 複雑なシステム設計において、関係者間で設計意図を共有する共通基盤があるか
確認しておきたい点
本シミュレーション基盤は現在開発・実装の途上にあり、MODEプロジェクトの終了予定である2027年9月に向けて実用性を高めていく段階です。現時点で即座に商用利用できるパッケージソフトとしての提供状況などは明記されていません。
関連リンク
- 発表企業サイト:古野電気株式会社の公式企業ウェブサイトです。
- 関連ページ:本研究発表に関する公式ニュースリリース詳細です。
- 発表企業のPR TIMESページ
出典情報
| 出典 | PR TIMES |
|---|---|
| 発表企業 | 古野電気株式会社 |
| 発表日時 | 2026-07-07 14:42:16 |
| 元記事 | PR TIMESで読む |