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ASMLとTSMCの売上動向から見る半導体製造サプライチェーンの現状

半導体露光装置メーカーのASMLと受託製造大手のTSMCの売上推移を比較。AI需要を背景とした両社の成長パターンの違いと、製造現場における協調体制の動きを解説します。

生産現場のシステムNAVI編集部
ASMLとTSMCの売上動向から見る半導体製造サプライチェーンの現状

この記事の要点: 半導体製造の最先端を担うオランダのASMLと台湾のTSMCの売上動向から、半導体サプライチェーンの現状が浮き彫りになりました。AI需要の急増を背景に、受託製造(ファウンドリ)最大手のTSMCが四半期ごとに着実な売上拡大を続ける一方、極端紫外線(EUV)などの露光装置を供給するASMLは、装置の製造リードタイムの長さから変動を伴う緩やかな成長傾向を示しています。両社は大型フォトマスクへの移行に向けた共同取り組みも開始しています。

ニュースのポイント

  • TSMCは2024年第3四半期から8四半期連続で売上を拡大し、ASMLを規模で大きく上回る
  • ASMLの売上は変動を伴うが、複雑な露光装置の製造リードタイムの長さがその背景にある
  • 両社は2026年9月に大型フォトマスクへの移行に向けた共同イニシアチブを発表した

背景

AI向けデータセンターの建設ラッシュに伴い、最先端半導体の需要が急増しています。TSMCは顧客に代わってAIチップの製造、パッケージング、テストを一貫して行うことで、この需要を直接取り込んでいます。一方、ASMLはTSMCなどの製造企業に不可欠な高度露光装置を独占的に供給していますが、装置自体の製造に長時間を要するため、需要が売上に反映されるまでにタイムラグが生じる構造となっています。

何が起きたのか

2024年第3四半期から2026年第2四半期までのデータによると、TSMCの売上高は235億ドルから402億ドルへと右肩上がりに急成長しています。これに対し、ASMLの売上高は82億ドルから108億ドルの間で増減を繰り返しながら推移しています。ASMLは、世界的なデータセンター建設プロジェクトの遅延による影響を受けつつも、オランダのブレインポート地域に第2の主要産業キャンパスを建設中で、製造効率の向上と将来的な出荷加速を目指しています。また、TSMC側では米国内での製造体制構築を支援するため、多くの国際的サプライヤーが米国への移転を進めています。

製造業・生産管理への見方

製造業や生産管理の観点から注目すべきは、川上の設備メーカー(ASML)と川下の受託製造企業(TSMC)における「リードタイム」と「生産能力」の関係性です。ASMLの露光装置は極めて複雑で製造に時間を要するため、需要の急増が即座に出荷や売上に直結しません。この設備供給のボトルネックを解消するため、ASMLは新工場の建設による生産能力増強に動いています。また、両社が共同で進める「大型フォトマスクへの移行」は、今後の半導体製造プロセスにおける生産効率向上や歩留まり改善に直結する重要な技術的転換点となります。

現場で確認したいポイント

  • 主要な製造装置や部材のリードタイムが、自社の生産計画や売上認識に与える影響の把握
  • 半導体などの基幹部品の調達において、サプライヤーの生産能力増強計画を考慮しているか
  • 大型フォトマスク移行のような業界の技術標準の変化が、自社製品や調達に及ぼす影響の有無

確認しておきたい点

本記事に記載された売上データは、ユーロおよびニュー台湾ドルから米ドルに換算されたものです。また、データセンター建設の遅延やサプライヤーの米国移転が、今後の具体的な納期やデバイス価格に与える影響については、現時点で確定的な情報は示されていません。

出典情報

出典 The Motley Fool
公開日時 2026-10-03T16:14:02Z
元記事 The Motley Foolで読む

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