この記事の要点: AIブームを背景に急成長を遂げる半導体業界において、ファウンドリ(受託製造)最大手の台湾TSMCと、ファブレス(設計専門)大手の米AMDの2025年度財務実績が明らかになりました。製造設備を自社で抱え圧倒的な生産規模を誇るTSMCと、最先端の設計開発に特化するAMDは、サプライチェーンにおいて強固な協力関係にありながらも、ビジネスモデルや収益構造の面で対照的な特徴を示しています。
ニュースのポイント
- TSMCの2025年度売上高は約1224億ドル、純利益率は約45%と圧倒的な収益力を誇る
- AMDの2025年度売上高は約346億ドル、前年比34.3%増と高い成長率を記録
- TSMCは世界のファウンドリ市場でシェア72.5%を占め、業界の製造基盤を支配する
背景
AIアクセラレータやデータセンター向け需要の急増により、半導体デバイスの安定調達と製造キャパシティの確保は、世界の製造業全体の最優先課題となっています。設計に特化するファブレス企業と、実際の物理的な製造を担うファウンドリ企業は、相互に依存しながらエコシステムを形成しています。今回のデータは2025年度通期の実績に基づき、両者の財務健全性と市場での立ち位置を比較したものです。
何が起きたのか
TSMCの2025年度売上高は前年比32%増の約1224億ドルに達し、純利益は約551億ドルを記録しました。45.0%という極めて高い純利益率は、同社が最先端の製造プロセスノードにおいて強力な価格決定権を維持していることを示しています。一方、AMDの2025年度売上高は前年比34.3%増の約346億ドル、純利益は約43億ドルで、純利益率は12.5%でした。AMDはOpenAIとの提携やゲーム機向けカスタムチップで成長していますが、製造をTSMCなどの外部パートナーに依存しているため、供給網のボトルネックが潜在的なリスクとなっています。
製造業・生産管理への見方
製造業の生産管理や調達部門にとって、TSMCのようなファウンドリの生産能力と財務状況は、電子部品のサプライチェーン安定性を左右する極めて重要な指標です。TSMCは534社もの顧客にチップを供給しており、特定の設計やデバイスの成否に依存しない安定した事業構造を持っています。しかし、製造拠点が特定の地域に集中していることによる地政学的リスクや、最先端プロセスを維持するための巨額の設備投資(カペックス)負担は、今後の供給価格やキャパシティ割り当てに影響を与える可能性があるため、注視が必要です。
現場で確認したいポイント
- 主要な半導体デバイスの製造委託先(ファウンドリ)がどこであるかを把握しているか
- 特定地域への製造集中に伴う地政学的リスクや供給途絶への代替策があるか
- 次世代半導体のプロセス微細化トレンドが自社製品のロードマップに与える影響
確認しておきたい点
本記事に記載された財務数値や市場シェア(TrendForce調べ)は2025年度の実績および2026年初頭時点のデータに基づいています。将来の設備投資計画や地政学的リスクによる生産への具体的な影響は未確定要素を含んでいます。
出典情報
| 出典 | The Motley Fool |
|---|---|
| 公開日時 | 2026-09-25T12:43:01Z |
| 元記事 | The Motley Foolで読む |