この記事の要点: 中国が、最先端の電子機器向け半導体製造に不可欠な「浸漬型深紫外線(DUV)露光装置」の量産を開始したことが明らかになりました。米国や欧州による輸出規制強化に直面する中、中国政府は国内の半導体製造装置の内製化を急ピッチで進めています。今回の動きは、世界的な半導体サプライチェーンの勢力図や、今後の製造装置市場における競争環境に大きな影響を与える可能性があります。
ニュースのポイント
- 中国企業が半導体製造に不可欠な浸漬型DUV露光装置の量産を開始
- オランダASML社が独占する露光装置市場からの脱却と自給自足を目指す
- 2026年に5台、2027年には20台の露光装置の製造を計画
背景
米国からの圧力を受けたオランダ政府による2023年および2025年の輸出規制や、2025年の米国によるNvidia製AIグラフィックスカードの禁輸措置など、中国を取り巻く半導体調達環境は厳しさを増しています。これに対抗するため、中国政府は国内の半導体スタートアップから人材を集約するなど、国を挙げて製造装置の内製化を支援してきました。
何が起きたのか
今回の量産を主導するのは、中国の国有企業である上海微電子装備(Shanghai Aishengna Electronic Technology Group)です。同社は2026年に5台、2027年に20台の露光装置を製造する計画を立てています。現在、世界の露光装置市場はオランダのASML社が約90%のシェアを握っており、7ナノメートル以下の微細なチップを効率的に製造できる極端紫外線(EUV)露光装置を製造できる唯一の企業となっています。中国は現在DUV装置の量産段階ですが、すでにEUV装置のプロトタイプ設計にも成功しているとされています。
製造業・生産管理への見方
日本の製造業や生産管理部門にとって、半導体製造装置の地政学的リスクとサプライチェーンの二極化は無視できない課題です。中国が露光装置の内製化に成功し、将来的にEUV装置の量産まで実現すれば、従来のASML一強体制が崩れ、半導体の調達ルートや価格構造が変化する可能性があります。また、中国は電気の代わりに光を使用する「光チップ(フォトニックチップ)」の製造実験も進めており、これが実用化されれば、従来の半導体生産プロセスそのものが変革する可能性も秘めています。
現場で確認したいポイント
- 主要な半導体部品の調達先が特定の国や規制対象企業に依存していないか
- 次世代半導体(光チップなど)の技術動向が自社製品の設計に与える影響の把握
- 輸出規制の変更に伴う、製造設備や部品調達のBCP(事業継続計画)の見直し
確認しておきたい点
中国はDUV装置の量産を開始したものの、現時点ではASML社の市場シェアをすぐに脅かす規模には達していません。また、プロトタイプ開発に成功したとされるEUV装置についても、実際の商業用量産ラインへ適用できる時期や品質の安定性については未確定な要素が残されています。
出典情報
| 出典 | BGR |
|---|---|
| 公開日時 | 2026-09-19T17:32:00+00:00 |
| 元記事 | BGRで読む |