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ハンファ・オーシャンが推進する造船スマートヤード化

韓国・巨済造船所でのAI溶接やデジタル生産センターの取り組み、米国フィリー造船所への技術展開を解説。

生産現場のシステムNAVI編集部
ハンファ・オーシャンが推進する造船スマートヤード化のアイキャッチ画像

この記事の要点: 韓国のハンファ・オーシャンは、熟練技能者の引退に伴う深刻な労働力不足に対応するため、造船所のスマートヤード化を加速させています。巨済(コジェ)造船所では、熟練溶接工の技術をデータ化してAIに学習させ、屋内溶接の自動化率を向上させているほか、リアルタイムの「デジタル生産センター」を構築して広大な敷地内の進捗管理を効率化しています。この先進技術は米国の造船所にも移植され始めています。

ニュースのポイント

  • 熟練溶接工の感覚的な技術をデータ化し、AI溶接ロボットに学習させ適用を拡大
  • ドローンやIoTを活用したデジタル生産センターにより、広大な造船所をリアルタイム管理
  • 韓国で実証されたスマートヤード技術を、米国のハンファ・フィリー造船所へ水平展開

背景

世界の造船業は、熟練労働者の退職と若手不足による深刻なスキルギャップに直面しています。韓国の造船業従事者数は2014年のピーク時(約20万人)から約12万5,000人にまで減少しました。特に液化天然ガス(LNG)運搬船などの大型船建造には、ミリ単位の鋼板のズレを調整しながら接合する高度な溶接技術が必要ですが、この技術はマニュアル化が難しく、長年ベテランの直感に依存してきました。

何が起きたのか

ハンファ・オーシャンは巨済造船所で、熟練工の作業パターンをデータ化してAIに学習させ、現在では屋内溶接の67%にAIを導入しており、2030年までに100%の自動化を目指しています。また、約5平方キロメートルに及ぶ広大な敷地を管理するため、造船業界初となる「デジタル生産センター」を構築しました。ドローンやIoTセンサーを用いて30分ごとにブロックの位置情報を更新し、気象情報と連動したシミュレーションで工程遅延を防いでいます。さらに、この技術は2024年にグループ傘下となった米国のフィリー造船所にも導入され、ERPや生産管理システムの刷新、溶接ロボットの導入が進められています。

製造業・生産管理への見方

造船のような超大型構造物の製造現場では、標準化や自動化が極めて困難とされてきました。本事例は、熟練技能の「暗黙知」をAIとロボットによって「形式知」へと変換し、生産性を維持する優れたアプローチを示しています。また、広大な敷地内での仕掛品(ブロック)の位置や進捗をIoTとドローンでリアルタイムに把握する仕組みは、大規模な工場や屋外ヤードを持つ製造業にとって、工程管理のデジタルツイン化(DX)の先駆的なモデルケースとなります。

現場で確認したいポイント

  • 自社の熟練技能者の「直感」や「コツ」をデータ化し、AIや自動機に移植できる領域があるか
  • 広大な工場敷地や屋外保管場所において、仕掛品や資材の位置把握にIoTやドローンを活用できるか
  • 国内外の複数拠点に対して、標準化したデジタル生産管理システムを水平展開する計画はあるか

確認しておきたい点

AI溶接や自動化の比率向上は示されていますが、これら新規システム導入に伴う初期投資額や、米国造船所への技術移転における現地労働者の受容性・教育コストについては言及されていません。

出典情報

出典 hanwha.com
公開日時 2026-07-21T08:36:55Z
元記事 hanwha.comで読む

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