この記事の要点: 三菱電機株式会社は、ヒートポンプ式冷熱機器向けに、従来比約3倍の伝熱性能を実現したプレート熱交換器を開発しました。この伝熱性能の向上により、熱交換器内部のプレート層数を減らすことができるため、冷媒の使用量を従来の約3分の1に削減することが可能になります。環境負荷の低減と、可燃性を持つ次世代冷媒の安全な運用に貢献する技術として、今後の製品適用が期待されています。
発表内容のポイント
- 平板プレート間に微細なオフセットフィンを実装し、伝熱性能を従来比3倍に向上
- 独自の解析技術で分配流路を最適化し、プレート全域への均一な冷媒分布を実現
- 伝熱効率化によるプレート層数削減で、内部の冷媒使用量を3分の1に削減可能
発表の背景
カーボンニュートラル社会の実現に向け、冷熱機器で使用される冷媒は地球温暖化係数の低い次世代冷媒への転換が求められています。しかし、次世代冷媒の多くは可燃性を持つため、漏洩時の安全確保に向けて使用量の最小限化が急務でした。冷媒削減には熱交換器の伝熱性能向上が不可欠ですが、従来のプレート構造では性能が不足しており、微細なフィンを設けると冷媒が均一に行き渡らないという課題がありました。
何が発表されたのか
今回開発されたプレート熱交換器は、平板状のプレート間に高密度な微細オフセットフィンを配置した構造を採用しています。フィンを設けることで発生する液冷媒の偏流を防ぐため、流体の流出入部に液分布を均一化する分配流路を新たに設置しました。この分配流路の配置にあたっては、ガスと液が混在する複雑な流れをシミュレーションする独自の解析技術を用いて最適化を行っており、プレート全体へ冷媒を均一に供給することに成功しています。
製造業・生産管理への見方
産業用冷熱機器や工場の空調システム、さらには電気自動車の熱管理システムなど、製造業における熱エネルギーマネジメントの効率化は、省エネやカーボンニュートラル達成に直結する重要なテーマです。今回の開発技術は、装置のコンパクト化や冷媒使用量の削減を可能にするため、工場設備の環境対応力を高めるだけでなく、可燃性冷媒の採用に伴う防爆対策や安全設計の負担軽減にも寄与すると考えられます。
現場で確認したいポイント
- 自社工場で稼働する冷熱機器や空調設備の更新時における、次世代冷媒への対応状況
- 熱交換器のコンパクト化が、生産設備や製品設計の省スペース化に与える影響
- 水や冷却液を用いるヒートポンプシステムなど、自社製品への応用可能性の有無
確認しておきたい点
本技術は開発段階の発表であり、具体的な搭載製品の発売時期や、既存設備へのレトロフィット(後付け)の可否、導入コストなどについては言及されていません。
出典情報
| 出典 | PR TIMES |
|---|---|
| 発表企業 | 三菱電機株式会社 |
| 発表日時 | 2026-09-14 15:30:01 |
| 元記事 | PR TIMESで読む |