この記事の要点: OIST発のスタートアップであるQubitcore株式会社は、NEDOの「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」に採択されたと発表しました。採択されたテーマは、複数の量子プロセッサを光で接続し、大規模な量子コンピュータを実現するための微小光共振器技術の開発です。同社は2026年度から2028年度にかけて、沖縄研究開発センターを中心に研究開発を推進します。
発表内容のポイント
- NEDOの量子コンピュータ次世代機開発・実証に関する研究開発事業に採択
- 半導体製造技術を活用し、複数の微小光共振器を同一基板上に集積する技術を開発
- イオントラップ型量子プロセッサと統合し、大規模化に向けた光接続を検証
発表の背景
実用的な誤り耐性型量子コンピュータの実現には、多数の量子ビットを制御する大規模システムが必要です。しかし、単一の量子プロセッサユニット(QPU)に搭載できる量子ビット数には物理的な限界があります。そのため、複数のQPUを光で接続して一つのシステムとして動作させる「分散型アーキテクチャ」が、大規模化に向けた有力なアプローチとして注目されています。
何が発表されたのか
本事業においてQubitcoreは、半導体製造技術を応用して複数の微小光共振器を同一基板上に高密度に集積し、イオントラップ型量子プロセッサと統合する技術開発に取り組みます。微小光共振器は、光を閉じ込めることで量子ビットと光子の相互作用を高める中核デバイスです。複数の光接続チャネルを並列動作させることで、QPU間での高速な量子情報伝送を可能にし、システム全体の拡張性を高める基盤技術の確立を目指します。
製造業・生産管理への見方
量子コンピュータの実用化は、製造業における新素材開発のシミュレーションや、複雑なサプライチェーンの最適化計算などを劇的に高速化する可能性を秘めています。今回の開発は、その前提となる「計算規模の拡大(スケーラビリティ)」という物理的課題を、半導体製造技術と光接続技術の融合によって解決しようとする試みです。将来的な産業応用を支えるハードウェア基盤の進化として、製造業DXの長期的なロードマップにおいても注目すべき動きと言えます。
現場で確認したいポイント
- 2028年度までの開発期間における、微小光共振器の集積化と動作実証の進捗状況
- イオントラップ型量子プロセッサとの統合プロセスにおける製造上の課題と解決策
- 分散型量子計算アーキテクチャが、将来の産業用計算サービスに与える影響
確認しておきたい点
本事業は2026年度から2028年度にかけた研究開発フェーズであり、現時点で具体的な製品化や、製造業の現場で直接利用できるシステムの提供時期については言及されていません。
関連リンク
- Qubitcore株式会社 公式サイト:企業の事業内容や採用情報、研究開発の概要を紹介する公式サイト。
- QubitcoreのPR TIMESページ:Qubitcore株式会社のプレスリリース一覧ページ。
出典情報
| 出典 | PR TIMES |
|---|---|
| 発表企業 | Qubitcore株式会社 |
| 発表日時 | 2026-07-23 11:00:11 |
| 元記事 | PR TIMESで読む |