この記事の要点: 株式会社ROKIは、特定のガスを選択的に吸着・分離できる多孔質材料「金属有機構造体(MOF)」の粉体を、装置へ実装しやすい形状に加工する「賦形化技術」を開発したと発表しました。粉体状のMOFを顆粒やシート、金属基材への塗工といった形態に加工することで、ガス流通時の圧力損失や粉体の取り扱いといった実用上の課題を解決し、各種ガス制御装置への組み込みを容易にします。
発表内容のポイント
- 粉体状のMOFを顆粒、シート、金属基材への塗工など装置に組み込みやすい形状へ加工
- 材料配合と加工工程の条件設計により、賦形化後も粉体時の吸着量の95%以上を保持
- 材料開発から形状加工、カートリッジ化、装置評価まで一貫して取り組む技術基盤を構築
発表の背景
MOFはナノメートルサイズの細孔を持ち、優れたガス吸着・分離性能を示す新材料として注目されています。しかし、一般的に粉体として得られるため、そのまま装置に充填するとガス流通時の圧力損失や、粉体の飛散・保持が課題となっていました。実用化には用途に応じた形状への加工が必要ですが、加工時の材料配合や条件によって吸着性能が低下しやすい点が、装置実装への大きな障壁となっていました。
何が発表されたのか
今回開発された技術は、MOFの吸着性能を維持したまま、用途や装置仕様に応じた形状に加工するものです。同社の評価条件下において、代表的なMOFを顆粒化した後の吸着量を比較したところ、粉体時と比べて95%以上の吸着量を保持していることが確認されました。これにより、装置への組み込みやすさと材料本来の機能の両立が可能になります。同社は材料開発から形状加工、さらにはカートリッジ化や装置評価まで一貫して対応できる体制を整えています。
製造業・生産管理への見方
製造現場における脱炭素化や環境対策において、CO2の回収・濃縮技術やガスの再利用技術の導入が求められています。今回のMOF賦形化技術は、CO2回収(DACなど)や希ガスの回収・再利用、各種ガスの分離・濃度制御といった具体的な産業用装置への適用を現実的にします。特に、圧力損失の低減やカートリッジ化によるメンテナンス性の向上は、工場のユーティリティ設備や生産プロセスにおけるガス循環システムの設計・運用効率化に直結する重要な進展です。
現場で確認したいポイント
- 自社の排ガス処理やガス回収プロセスにおいて、どのような形状(顆粒・シート等)が適しているか
- 対象となるガス種(CO2や希ガスなど)に対する吸着性能や耐久性が実用レベルを満たしているか
- 既存のガス処理装置へのカートリッジ導入や、共同開発によるカスタム設計の可能性
確認しておきたい点
本技術は評価環境下において吸着量95%以上を保持することを確認していますが、実際の使用環境や対象とするガスの種類、装置の動作条件によって性能や耐久性が変動する可能性があります。実機導入にあたっては、サンプル評価や実証試験による検証が必要です。
関連リンク
- 株式会社ROKI 公式サイト:発表企業である株式会社ROKIの企業情報サイトです。
- 株式会社ROKIのPR TIMESページ:ROKIのプレスリリース一覧や最新情報を確認できます。
出典情報
| 出典 | PR TIMES |
|---|---|
| 発表企業 | 株式会社ROKI |
| 発表日時 | 2026-07-21 08:30:01 |
| 元記事 | PR TIMESで読む |