この記事の要点: 名古屋大学発のベンチャー企業である株式会社ThermieLは、愛知県が実施するディープテック推進事業「Aichi Deeptech Launchpad」の2026年度アクセラレーションプログラムに採択された。同社は、独自の熱物性マッピング技術を用いた「オンプレミス型熱物性評価サービス」の事業化と海外展開の構築を目指す。これにより、半導体や放熱材料、電子部品の開発現場における熱マネジメント課題の解決を支援する。
発表内容のポイント
- 愛知県のディープテック推進事業に採択され、専門家支援やマッチングを活用
- 非接触・非破壊で熱拡散率や界面熱抵抗を可視化する独自技術の社会実装を推進
- 顧客企業内で利用可能なオンプレミス型評価サービスの構築により事業化を加速
発表の背景
生成AIやデータセンターの急速な発展に伴い、GPUやパワー半導体の発熱密度は飛躍的に増加している。これに伴い、電子部品や放熱材料の熱設計が重要視されているが、従来の放熱設計では試作とシミュレーションを繰り返す必要があり、開発期間やコストの増加が課題となっていた。同社は、実測によるフィードバックを開発初期段階から可能にすることで、熱設計の高度化と開発効率の向上を目指している。
何が発表されたのか
ThermieLが開発する技術は、名古屋大学で研究開発された「ロックインサーモグラフィ式レーザー周期加熱法」を基盤としている。これは、周期変調したレーザー光で対象物を加熱し、サーモグラフィと信号解析によって温度波形を高精度に取得・解析することで、熱拡散率や熱伝導率、界面熱抵抗などの材料熱物性を空間分布として非接触・非破壊で可視化する技術である。現在提供している受託測定サービスに加え、顧客の社内で継続的な評価が行えるオンプレミス型サービスの構築を進める計画だ。
製造業・生産管理への見方
半導体や電子部品、自動車、航空宇宙分野の製造業において、熱対策は製品の信頼性と性能を左右する極めて重要な要素である。特にパワー半導体や放熱材料の開発現場では、材料同士の接合部における「界面熱抵抗」などの正確な把握が求められる。同社の技術は、これまで困難であった熱物性の二次元的な可視化を非破壊で実現するため、試作評価のスピードアップや、シミュレーション精度の向上に直結する。オンプレミス型サービスの実現により、機密性の高い開発データを社外に出すことなく、自社内で迅速に熱特性を評価・フィードバックできる体制の構築が期待される。
現場で確認したいポイント
- 自社の半導体・放熱材料開発において、熱物性の測定・評価に要する時間やコストがボトルネックになっていないか
- 非接触・非破壊での熱物性マッピング技術が、既存の試作・評価プロセスに適合するか
- 機密情報の観点から、受託測定ではなくオンプレミス(自社内)での測定環境が必要とされるか
確認しておきたい点
本発表はアクセラレーションプログラムへの採択と事業化に向けた計画に関するものであり、オンプレミス型評価サービスの具体的な提供開始時期や導入費用、対応可能な材料の制限などの詳細仕様については、今後の開発・事業展開の進捗を確認する必要があります。
関連リンク
- 発表企業サイト:株式会社ThermieLの公式ウェブサイトです。
- 発表企業のPR TIMESページ:ThermieLのプレスリリース一覧です。
出典情報
| 出典 | PR TIMES |
|---|---|
| 発表企業 | 株式会社ThermieL |
| 発表日時 | 2026-07-21 06:00:01 |
| 元記事 | PR TIMESで読む |