この記事の要点: 米国のシンクタンク、スティムソン・センターのシニアフェローであるマイケル・カニンガム氏が、台湾と米国は半導体分野において競合ではなく「戦略的パートナー」であるとの見解を示しました。トランプ米大統領による「台湾が米国の半導体産業を奪った」という主張に対し、米国企業が設計を主導し、台湾企業が製造を担うという強固な国際分業体制が双方に利益をもたらしていると指摘しています。
ニュースのポイント
- 米国が設計を主導し、台湾が製造を担う相互補完的なパートナーシップである点
- TSMCの米国投資は新規投資であり、台湾国内の生産能力も拡大し続けている点
- 台湾の成熟したエコシステムは、低コスト・高品質・大規模生産において代替困難な点
背景
トランプ米大統領はインタビューにおいて、台湾が半導体ビジネスの「100%を事実上奪った」と主張し、自身の任期終了までに米国内での半導体製造シェアを40〜60%に引き上げるという予測を示しました。これに対し、専門家からは米国の脱工業化の阻止や輸入依存度の低減という政治的意図は理解できるものの、現実的な製造能力の移転予測としては非現実的であるとの反論が上がっています。
何が起きたのか
カニンガム氏は、TSMCなどの台湾企業が米国での工場建設を進めているものの、それは台湾からの撤退を意味しないと説明しています。世界的な需要拡大に伴い、台湾国内でも新たなファブ(工場)の建設が並行して進められています。また、同氏はトランプ氏が掲げる「任期中の米国内製造シェア40〜60%」という目標について、台湾が数十年にわたり築き上げてきた高度な半導体エコシステムを短期間で模倣することは不可能であり、実現の可能性は極めて低いと一蹴しました。
製造業・生産管理への見方
製造業やサプライチェーン管理の観点から、半導体製造における「エコシステム」の重要性が改めて浮き彫りになりました。台湾の強みは単なる個別の工場設備だけでなく、サプライヤー、技術者、インフラが高度に集積した産業クラスターにあります。地政学的リスクを背景に米国などでの現地生産(地産地消)の動きは進むものの、コスト、品質、生産スケールの面で台湾への依存度を急激に下げることは困難であり、製造業の調達担当者は今後も台湾を中心とした供給網の安定性を注視する必要があります。
現場で確認したいポイント
- 自社製品に使用される半導体の製造国および台湾依存度の現状把握
- 米国など主要国における半導体現地生産化の進捗と調達コストへの影響評価
- 地政学的リスクに備えた半導体サプライチェーンの複数系統化(マルチソース化)の検討
確認しておきたい点
本記事は米国の研究者による見解に基づいたものであり、今後の米国の通商政策や補助金制度の変更によっては、実際の半導体メーカーの投資計画やサプライチェーンの勢力図が影響を受ける可能性があります。
出典情報
| 出典 | 台北時報 |
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| 公開日時 | 2026-07-13T00:00:00+08:00 |
| 元記事 | 台北時報で読む |