この記事の要点: 特定非営利活動法人日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)は、製造業における優れたOT(制御技術)セキュリティの取り組みを表彰する「JNSA OTセキュリティ アワード2026」の選考結果を発表しました。初回となる今回は、NECプラットフォームズ株式会社の福島事業所と掛川事業所、およびリコーインダストリー株式会社の東北事業所の計3工場が選出され、それぞれの実践的な取り組みが高く評価されました。
発表内容のポイント
- JNSAがOTセキュリティの文化醸成を目的にアワードを創設し初の選考結果を公表
- NECプラットフォームズの2工場はネットワーク監視や組織連携、訓練の継続で受賞
- リコーインダストリー東北事業所は「5S+S」による現場へのセキュリティ融合を実践
発表の背景
近年、製造業を標的としたサイバー攻撃が増加しており、工場の操業継続を脅かすリスクとなっています。これに伴い、生産現場におけるOTセキュリティ対策の重要性が急速に高まっています。JNSAは、こうした制御領域のセキュリティ対策を広く啓発し、日本の産業界全体にOTセキュリティの文化を根付かせることを目指して、2026年3月に本アワードを創設しました。審査では組織、運用、技術、サプライチェーンの成熟度に加え、実効性やリスク低減活動との関連性が重視されました。
何が発表されたのか
受賞したNECプラットフォームズ福島事業所は、製造ライン単位でのマイクロセグメンテーションやSOC監視を導入し、ライン停止判断を含むBCP訓練を継続している点が評価されました。同社掛川事業所は、経営層から現場までが連携した統制体制を構築し、段階的に適用範囲を拡大する持続可能な推進モデルを確立しています。また、リコーインダストリー東北事業所は「5S+S(Security)」という現場目線のスローガンを掲げ、セキュリティを製造現場の日常業務や改善活動、DXと一体化させて文化として定着させている点が評価されました。
製造業・生産管理への見方
製造業のDX推進やスマート工場化に伴い、工場ネットワークのオープン化が進む一方で、サイバーリスクへの対策は生産管理における最重要課題の一つとなっています。今回の受賞事例は、単に高度なセキュリティツールを導入するだけでなく、製造ラインの特性に応じたネットワーク分割や、現場の「5S」活動にセキュリティを組み込むなど、生産活動を止めないための現実的かつ持続可能なアプローチを示しています。現場の運用負荷や教育、BCP訓練と連動させた体制づくりは、多くの製造業にとって自社のセキュリティ対策を具体化する上での有益な指標となります。
現場で確認したいポイント
- 自社の工場ネットワークにおいて、製造ライン単位での分割や監視体制が整っているか
- セキュリティ対策が現場の負担にならず、日常の改善活動や5S活動と融合できているか
- 万が一のインシデント発生時に備え、生産ラインの停止判断を含むBCP訓練を行っているか
確認しておきたい点
本アワードで評価された取り組みは各工場の特性に応じた個別具体的な事例であり、自社の生産設備やネットワーク環境にそのまま適用できるとは限りません。自社の運用負荷や体制に合わせた段階的な導入計画が必要です。
関連リンク
- JNSA 発表企業サイト:日本ネットワークセキュリティ協会の公式サイトです。
- OTセキュリティアワード受賞詳細:受賞した3工場の詳細な表彰理由が掲載されています。
- 発表企業のPR TIMESページ
出典情報
| 出典 | PR TIMES |
|---|---|
| 発表企業 | 特定非営利活動法人日本ネットワークセキュリティ協会 |
| 発表日時 | 2026-07-09 13:00:02 |
| 元記事 | PR TIMESで読む |