この記事の要点: 住吉工業株式会社は、建設機械オペレーターの視線に着目し、録画データを基に技能判定や技能特性をAIで自動判定する「技能教示システム」を開発し、特許を取得しました。このシステムは、従来言語化が困難だったオペレーション技能を多角的に分析・判断するもので、深刻化する業界の人材不足や熟練者の高齢化という課題に対し、若手人材の効率的な育成と技能伝承の新しい形を提案します。
発表内容のポイント
- アイトラッキングとAIを組み合わせ、熟練者の視線移動をデジタルデータ化
- 熟練者と自身の視線のズレを定量的に算出し、客観的な技能判定を自動で実施
- オペレーターの技能特性を可視化し、現場の要求に応じた最適な配置を可能に
発表の背景
建設業界では従事者数がピーク時から約30%減少し、29歳以下の若手が全体の12%にとどまるなど、深刻な人材不足と高齢化に直面しています。特に建設機械の操作をはじめとする職人技術は、一人前になるまでに10年を要すると言われてきました。その主な要因は、作業における「カン」や「コツ」が可視化しにくく、マニュアル化が困難だった点にあります。この課題を解決するため、熟練者の視線移動に着目したシステム開発が行われました。
何が発表されたのか
今回特許を取得した「技能教示システム」は、作業者が「本来どこを見るべきか」という最適な視線位置をAIが教示する仕組みです。熟練者と自身の視線のズレ(離れ値)を定量的に算出することで、客観的な技能判定を自動で行い、効率的な技能習得をサポートします。さらに、オペレーター個々の技能特性や視線パターンの特徴を「見える化」することで、現場が求める特性を持った人材との的確なマッチングが可能になり、施工の安全性と効率性を高めることができます。
製造業・生産管理への見方
本システムは建設機械のオペレーションを対象としていますが、そこで用いられている「アイトラッキング技術とAIによる技能判定」のアプローチは、製造業の生産現場における技能伝承や製造業DXにも深く通じるものがあります。工場内の熟練作業員が目視検査や複雑な組み立て、加工機械の操作時に「どこを見ているか」というノウハウは、これまで暗黙知として継承が困難でした。視線データを定量化して標準モデルと比較する手法は、製造現場の教育コスト削減や品質平準化に応用できる可能性を秘めています。
現場で確認したいポイント
- 視線計測を行うためのアイトラッキング機器の装着感や、実作業への影響度
- 熟練者ごとの視線データのばらつきを、AIがどのように処理・標準化しているか
- 建設機械以外の製造装置や目視検査工程など、他分野へのシステム応用可能性
確認しておきたい点
本システムが対応している建設機械の具体的な機種や、AIの判定精度を担保するために必要なデータ量については、プレスリリース内では言及されていません。
関連リンク
- 住吉工業株式会社 企業サイト:発表企業である住吉工業の公式サイトです。
- 住吉工業のPR TIMESページ:住吉工業のプレスリリース一覧が確認できます。
- 特許情報プラットフォーム(J-PlatPat):特許番号などから技術情報の詳細を検索できます。
出典情報
| 出典 | PR TIMES |
|---|---|
| 発表企業 | 住吉工業株式会社 |
| 発表日時 | 2026-07-02 15:00:01 |
| 元記事 | PR TIMESで読む |