この記事の要点: アスファルトプラントメーカーの田中鉄工株式会社(佐賀県)は、地域で回収した使用済み食用油(廃食油)をアスファルト合材製造時の代替燃料として活用する「Roa(d)cal SDGs Project」を佐賀県多久市で本格始動しました。2026年6月より、松尾建設株式会社の多久合材工場において、アスファルト合材製造用燃料としての利活用が開始されています。市民、事業者、行政が一体となり、製造現場の脱炭素化と地域内での資源循環を目指します。
発表内容のポイント
- 廃食油をアスファルト合材製造時の重油・軽油代替燃料として活用し、工場排出CO2を削減
- 多久市内で回収された廃食油を、地元の松尾建設・多久合材工場で燃料として利活用
- 今後はトレーサビリティやカーボンフットプリントを導入し、回収から利活用までを可視化
発表の背景
国内の家庭系廃食油は約96%(年9.6万トン)がゴミとして廃棄されており、事業系廃食油も約3分の1が海外へ輸出されるなど、地域内での循環利用が進んでいない課題がありました。田中鉄工は、道路舗装に不可欠なアスファルト合材の製造工程に着目し、熱源として大量に消費される化石燃料を廃食油に代替する仕組みを構築。多久市が掲げる「2050ゼロカーボンシティ」の実現に向け、2025年1月の4者包括連携協定を契機に回収体制を整備してきました。
何が発表されたのか
本プロジェクトでは、多久市内の公民館やスーパーに回収ボックスを設置し、家庭系廃食油を回収しています。2025年1月から2026年8月までの累計回収量は3,366リットルに達しました。回収された廃食油は、松尾建設の多久合材工場においてアスファルト合材を製造する際の重油代替燃料として使用されます。これにより、化石燃料の使用量削減だけでなく、SOx(硫黄酸化物)やNOx(窒素酸化物)、CO2の排出抑制に貢献します。さらに、今後は回収・再生・利活用の履歴を可視化するトレーサビリティシステムの導入も予定されています。
製造業・生産管理への見方
製造業、特にインフラ資材を供給する素材・合材工場にとって、製造プロセスの脱炭素化(GX)は急務です。アスファルト合材製造は加熱工程で多大なエネルギーを消費するため、化石燃料からバイオマス燃料への転換は極めて有効な手段となります。本取り組みは、単に代替燃料を外部調達するだけでなく、地域社会やサプライチェーンを巻き込んだ「地産地消型」の原料調達スキームを構築している点が特徴です。製造現場におけるカーボンフットプリント(CFP)の算定や、トレーサビリティの確保といった先進的な管理手法の導入モデルとしても注目されます。
現場で確認したいポイント
- 自社工場の加熱・燃焼工程において、廃食油などのバイオマス代替燃料が技術的に適用可能か
- 地域コミュニティや自治体と連携した、安定的かつ持続可能な廃棄物・副産物の回収体制を構築できるか
- サプライチェーン全体でのCO2削減効果を証明するための、トレーサビリティ管理体制が整備されているか
確認しておきたい点
本リリースに記載されている廃食油の回収量や活用実績は多久市における2026年8月時点の累計データであり、今後の回収規模の拡大ペースや、他地域へ展開する際の回収効率の維持については、地域ごとの回収協力体制に依存する点に留意が必要です。
出典情報
| 出典 | PR TIMES |
|---|---|
| 発表企業 | 田中鉄工株式会社 |
| 発表日時 | 2026-10-06 14:00:01 |
| 元記事 | PR TIMESで読む |