この記事の要点: 帝国データバンクの調査によると、2026年1〜9月における「和菓子店」の倒産件数は22件に達し、過去最多を更新するペースで推移しています。小豆や砂糖などの原材料価格の上昇、光熱費や人件費の高騰が製造コストを押し上げる一方、日常的な菓子としての性質から価格転嫁が難しく、採算が急速に悪化しています。さらに、職人の高齢化による技術承継問題や設備投資負担も重なり、老舗製造企業の廃業が目立っています。
発表内容のポイント
- 2026年の和菓子店倒産は22件で推移し、過去最多を更新する深刻なペース
- 小豆や砂糖などの原材料高、光熱費上昇に対し、価格転嫁が難しい構造的課題
- 職人の高齢化による技術承継の困難化や、工場・店舗の新設に伴う設備投資負担
発表の背景
和菓子製造業界では、主要原材料である小豆、砂糖、もち米などの価格上昇に加え、包装資材やエネルギーコストの上昇が続いています。洋菓子に比べて日常の茶請けや贈答品としての側面が強く、値上げによる顧客離れが起きやすいため、コスト上昇分を販売価格に転嫁できない構造があります。また、コロナ禍での借入金返済負担や、老朽化した製造設備の更新投資が重なり、資金繰りを圧迫しています。
何が発表されたのか
倒産した和菓子店を分析すると、業歴100年以上の老舗が17.4%、50年以上が半数を占めており、長年地域に根ざしてきた製造現場の限界が浮き彫りになっています。需要面では、若年層の和菓子離れや手土産需要の減少といった市場縮小に加え、製造現場における「職人の高齢化」が深刻です。高度な技術を持つ職人の引退や代表者の体調不良をきっかけに、生産量を維持できなくなったり、事業継続を断念したりするケースが相次いでいます。
製造業・生産管理への見方
食品製造・生産管理の視点では、多品種少量生産かつ手作業の多い和菓子製造において、生産効率の向上とコスト管理が極めて重要な課題となっています。技術承継の難しさは、製造プロセスの標準化やデジタル化が進んでいない現場の脆弱性を示しています。一方で、コンビニやスーパー向けのOEM製造へのシフト、ネット通販の活用、トレンドに合わせた新商品開発など、製造ラインの柔軟性を高めて販路を広げ、業績を伸ばしている企業もあり、生産体制の変革が求められています。
現場で確認したいポイント
- 原材料やエネルギーコストの上昇分を、製造工程の効率化でどこまで吸収できているか
- 熟練職人の技術や製造ノウハウをマニュアル化し、次世代へ承継する仕組みがあるか
- OEM製造やEC向けパッケージなど、需要変動に対応できる柔軟な生産ラインを構築できているか
確認しておきたい点
本調査は負債1000万円以上の法的整理を対象としており、自主廃業や小規模な個人商店の動向は含まれていません。また、個々の企業の具体的な財務状況や、地域ごとの詳細な需要動向については言及されていません。
出典情報
| 出典 | PR TIMES |
|---|---|
| 発表企業 | 株式会社帝国データバンク |
| 発表日時 | 2026-10-03 07:00:02 |
| 元記事 | PR TIMESで読む |