この記事の要点: 三菱電機株式会社、京都大学、核融合科学研究所の3者は、フュージョンエネルギーの社会実装に向けて、プラズマの状態を長時間にわたり多点同時に計測できるマイクロ波プラズマ計測システムを構築しました。京都大学の核融合実験装置「Heliotron J」を用いた実証実験において、最大34点の多点同時計測に成功。一億度以上の核融合プラズマを制御するために不可欠な、リアルタイムでの状態把握に道を開く技術として期待されます。
発表内容のポイント
- 周波数コムのマイクロ波を採用し、最大34点の多点同時計測を実現
- デュアルコムダウンコンバート方式により、信号処理負荷を軽減し長時間計測を可能に
- 京都大学の実験装置「Heliotron J」にシステムを構築し、実証実験に成功
発表の背景
脱炭素社会の実現に向けた次世代エネルギー源として、フュージョンエネルギーへの期待が高まっています。社会実装には一億度以上のプラズマを制御する必要があり、リアルタイムで状態を把握する信頼性の高い計測技術が求められていました。特にマイクロ波計測技術は、中性子による機器損傷を避けるため、重要機器をプラズマから離して設置できる利点があり、3者は2025年から共同で技術高度化に取り組んできました。
何が発表されたのか
今回開発されたシステムは、櫛の歯のように多数の周波数成分が等間隔に並ぶ「周波数コム」のマイクロ波を使用します。プラズマ中に入射したマイクロ波が電子密度に応じて反射する性質を利用し、反射層の回転速度による周波数変化を捉えることで、複数箇所の状態を同時に計測します。さらに、受信システムに「デュアルコムダウンコンバート方式」を採用。高周波信号を測定しやすい低周波に変換することで、信号処理の負荷を抑え、放電全体にわたる長時間の計測を可能にしました。
製造業・生産管理への見方
製造業やプラントエンジニアリングの視点において、極限環境下における高精度なセンシング技術の確立は、将来のエネルギーインフラ構築に向けた重要なマイルストーンです。特に、核融合炉のような過酷な環境下で、機器の劣化を防ぎつつ長時間の安定計測を可能にするシステム設計は、高度な制御技術を求める次世代のプラント製造や精密機器開発において重要な知見となります。三菱電機がマイクロ波発信・受信装置の開発と装置構築を担い、アカデミアと連携して社会実装を見据えた実証を成功させた点は、製造業DXや先端技術開発のモデルケースと言えます。
現場で確認したいポイント
- 商用炉への採用に向けた、耐環境性能に優れるシステム構築の進捗状況
- プラズマの電子密度の状態や放電条件による、実際の計測点数の変動幅
- 2030年代の発電実証を見据えた、制御技術のさらなる高度化ロードマップ
確認しておきたい点
本計測システムにおける計測点数は、プラズマの電子密度の状態に依存するため、放電条件によって変動する点に留意する必要があります。
関連リンク
- 発表企業サイト:三菱電機の公式ウェブサイト
- 技術発表詳細PDF:本開発に関する詳細なプレスリリース資料
- 発表企業のPR TIMESページ
出典情報
| 出典 | PR TIMES |
|---|---|
| 発表企業 | 三菱電機株式会社 |
| 発表日時 | 2026-06-30 16:20:01 |
| 元記事 | PR TIMESで読む |