この記事の要点: 規制の厳しい製造業界において、製品の欠陥はリコールや規制当局による監視、多大な財務損失を招くリスクがあります。そのため、単なる検査にとどまらず、不適合の根本原因を特定して再発を防ぐ「是正措置・予防措置(CAPA)」プログラムの導入が進んでいます。本記事では、ERPシステムを活用してCAPAプロセスを統合し、品質リスクを低減する方法について解説します。
ニュースのポイント
- CAPAは不適合の記録から根本原因の特定、再発防止までを体系的に管理する枠組み
- D365 SCMのAQM機能により、不適合やCAPA活動、関連文書を一元管理可能に
- サプライヤーの実績に応じた柔軟なサンプリング計画により、検査業務を効率化
背景
医療機器、医薬品、食品・飲料、防衛などの規制が厳しい産業では、単に欠陥部品を交換するだけでは不十分です。監査人や規制当局、顧客に対して、何が起き、なぜ発生し、どのような対策を講じて再発を防ぐのかを明確に示す必要があります。従来は品質イベントの追跡と調査、是正措置が別々のツールで管理され、トレーサビリティの確保が困難でした。
何が起きたのか
Microsoft Dynamics 365 Supply Chain Management(D365 SCM)の「高度な品質管理(AQM)」機能(バージョン10.0.44以降で対応、10.0.47以降でデフォルト有効)を活用することで、不適合、CAPAケース、根本原因分析、解決手順を単一システム内でリンクできます。CAPAプロセスを選択すると、システムが段階的なアクティビティを生成し、担当者の割り当てや通知を自動で行います。また、品質注文の検証やCAPAケースのクローズ時に電子署名を義務付けることで、監査対応力とトレーサビリティを強化できます。
製造業・生産管理への見方
生産管理や品質管理の現場において、CAPAのシステム化は業務効率化とリスク低減に直結します。例えば、新規サプライヤーには厳格な検査を適用し、実績のあるサプライヤーにはサンプリングを減らす「柔軟なサンプリング計画」を構成することで、限られたリソースをリスクの高い領域に集中させることができます。また、複数拠点を展開する企業では、全社的なCAPAプロセスを標準化しつつ、拠点固有のルールを維持する柔軟な運用が可能です。
現場で確認したいポイント
- 自社の不適合管理と是正措置(CAPA)が、スプレッドシート等で分断されずに連携しているか
- サプライヤーの品質実績に応じた、リスクベースの柔軟な検査サンプリングが実施できているか
- 規制要件を満たすための電子署名や電子バッチ記録のログが、監査に耐える形で保管されているか
確認しておきたい点
D365 SCMのAQM機能や電子署名、トレーサビリティ機能を導入する際、適切なシステム設定や業務手順の定義、および意図した用途に適合しているかどうかのバリデーション(検証)は、製造業者自身が責任を持って行う必要があります。
出典情報
| 出典 | Forvis Mazars |
|---|---|
| 公開日時 | 2026-09-01T00:00:00.0000000 |
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