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韓国ポスコに24億ウォンの支払命令、下請け労働者の格差是正訴訟

韓国のポスコが、下請け企業の労働者を自社で直接雇用すべきだったとして、賃金格差分の支払いを命じられました。生産管理システム内での業務実態が重視されています。

生産現場のシステムNAVI編集部
韓国ポスコに24億ウォンの支払命令、下請け労働者の格差是正訴訟

この記事の要点: 韓国の鉄鋼大手ポスコ(POSCO)は、下請け企業の労働者に対して差別的な賃金が支払われていたとして、光州地裁順天支部から計24億ウォン(約1,730万ドル)の支払いを命じる判決を受けました。この訴訟は、2022年の最高裁判決を受けてポスコに直接雇用された元下請け労働者59人が提起したものです。裁判所は、本来直接雇用されるべきであった期間の賃金格差と遅延利息の支払いを認めており、今後の同種訴訟への影響が懸念されています。

ニュースのポイント

  • 地裁がポスコに対し、元下請け労働者59人へ計24億ウォンの支払いを命令
  • 賃金格差の算定期間について、2008年まで遡及して適用し遅延利息も加算
  • 製品検査や資材管理を行うサービス提供会社の労働者にも直接雇用義務を認定

背景

ポスコの社内下請け労働者を巡っては、2022年7月に韓国最高裁が従業員としての地位を認める判決を下しました。これに伴い直接雇用された労働者側が、下請け時代に受け取っていた賃金とポスコの正規職との格差分を補償するよう求めて提訴していました。ポスコ側は3年の消滅時効を主張しましたが、裁判所は過去の地位確認訴訟の時点で時効が中断していたと判断し、2008年まで遡って算定する判決を下しました。

何が起きたのか

今回の判決では、賃金格差の算定基準として、ポスコが直接雇用にあたって新設した「オペレーション・シナジー職群(Sグループ)」の給与基準が適用されました。労働組合側は既存の一般生産技術職の基準を求めており、ポスコ側は比較可能な業務が存在しないと主張していたため、双方が控訴を予定しています。さらに同日、別の地位確認訴訟(第8次・第9次)でも原告849人の従業員地位が認められました。特に、これまで直接雇用の対象外とされてきたサービス提供会社「昌栄産業」の労働者35人についても、ポスコの生産管理システム内で業務が行われていたことを理由に、直接雇用の義務があると判断されました。

製造業・生産管理への見方

製造業の工場運営において、社内下請けや外部サービス会社への業務委託は一般的な手法です。しかし今回の判決は、委託先企業の業務が発注元の「生産管理システム」に組み込まれて一体的に運用されている場合、実質的な直接雇用関係(派遣法違反や偽装請負)とみなされるリスクを浮き彫りにしました。特に製品検査や資材管理といった、生産ラインに直接関わらない周辺業務であっても、発注元のシステムや指揮命令下で稼働している実態があれば、法的義務が発生する可能性があります。サプライチェーンや工場内作業の外注管理において、業務の独立性とシステム運用の境界線を再確認する重要性を示しています。

現場で確認したいポイント

  • 自社の生産管理システムを下請けや外部委託先の作業者が直接操作していないか
  • 工場内の製品検査や資材管理などの委託業務において、実質的な指揮命令が発生していないか
  • 外部委託契約と実態の乖離による、将来的な法的・財務的リスクを法務部門と共有できているか

確認しておきたい点

本件は韓国の司法判断であり、日本国内の労働法(労働者派遣法や職業安定法)に直接適用されるものではありませんが、偽装請負の判断基準として「生産管理システムへの組み込み」が重視された点は、グローバルに工場を展開する企業にとって留意すべき事例です。

出典情報

出典 Businesskorea
公開日時 2026-08-24T18:30:20+09:00
元記事 Businesskoreaで読む

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