この記事の要点: オーストラリアの半導体企業モース・マイクロ(Morse Micro)は、米国シカゴを拠点とするエンジニアリング企業ペース・ワイヤレス(Pace Wireless)を、同社の「Wi-Fi HaLowデザインパートナープログラム」に認定したと発表しました。この提携により、長距離・低消費電力を特徴とする無線通信規格「Wi-Fi HaLow」を採用したIoTデバイスの開発から、プリント基板設計、規制対応、生産管理、そして米国での試作までを一貫して支援する体制が整います。
ニュースのポイント
- Wi-Fi HaLowの商用化に向け、設計から生産管理までをカバーするパートナーシップを締結
- Pace Wirelessが持つ30年以上の製品立ち上げ実績と、米国での迅速な試作能力を活用
- サブGHz帯を利用するWi-Fi HaLowにより、工場やインフラの長距離・低電力通信を実現
背景
Wi-Fi HaLow(IEEE 802.11ah規格)は、従来のWi-Fiよりも通信距離が長く、消費電力が極めて低い次世代の無線通信技術です。産業用IoTやスマートインフラ、セキュリティなどの分野で期待されていますが、開発プロジェクトから実際の商業的なIoT導入へと移行させるためには、顧客企業が無線チップを最終製品へと統合する際の開発負荷を軽減するエコシステムの構築が課題となっていました。
何が起きたのか
今回の提携により、Pace Wirelessはモース・マイクロのWi-Fi HaLowシリコンを採用する企業に対し、初期のシステムアーキテクチャ設計や概念実証(PoC)から、ハードウェア・ファームウェア開発、プリント基板設計、規制計画、そして生産管理に至るまでの専門知識を提供します。さらに、Pace Wirelessはイリノイ州の製造パートナーを通じて米国国内での試作環境を確保しており、本格的な量産に移行する前に、検証済みのコンセプトから初期ビルドまでを迅速に進めることが可能です。
製造業・生産管理への見方
製造現場やサプライチェーンにおいて、広大な工場敷地内や遮蔽物の多い環境での通信確保は重要な課題です。Wi-Fi HaLowはサブGHz帯を使用するため電波の回り込みに強く、長距離通信が可能なため、工場内の設備監視や在庫管理、スマートメーターなどの産業用IoT(IIoT)に最適です。今回の提携により、製造業のユーザーは設計段階でのリスクを低減し、生産管理や試作プロセスの最適化を通じて、信頼性の高いワイヤレス接続機器を迅速に自社工場や製品に導入できるようになります。
現場で確認したいポイント
- 自社工場や倉庫における既存のWi-Fi通信の死角や、電波届きにくさの課題を把握しているか
- 長距離・低消費電力を必要とするセンサーや設備監視デバイスの導入計画があるか
- 新技術を導入する際、試作から生産管理、規制対応までを一貫してサポートできる体制があるか
確認しておきたい点
Wi-Fi HaLowは優れた長距離・低電力特性を持ちますが、従来のWi-Fiと比べてデータ伝送速度や帯域幅が異なるため、大容量の画像・映像伝送など、自社の用途に適しているかを事前に検証する必要があります。
出典情報
| 出典 | IOT Insider |
|---|---|
| 公開日時 | 2026-08-20T09:32:25+00:00 |
| 元記事 | IOT Insiderで読む |