この記事の要点: インド政府は、国内の受託製造業者(EMS)に対して製造設備を提供する外国企業を対象に、免税措置の期限を2041年3月31日まで延長する法案を提案しました。これはインド国内での生産拡大を進める米Appleなどの外資系ハイテク企業にとって大きな追い風となります。対象分野はスマートフォンやタブレット、ノートPC、ウェアラブル端末などの電子機器製造で、サプライチェーンの安定化と投資誘致を狙います。
ニュースのポイント
- 受託製造業者へ設備を提供する外国企業への免税措置を2041年まで延長する方針
- 保税地域での部品保管や供給から生じる外国企業の所得も2041年まで非課税に
- データセンターを所有ではなくリースで利用する場合も免税措置の対象へ緩和
背景
インド政府は2026年2月に外資系企業向けの免税措置を導入したものの、当初の期限は2031年まででした。Appleなどは、インドの税法上、受託製造業者に提供した自社所有の高度な製造設備が「恒久的施設(ビジネスコネクション)」とみなされ、インド国内で多額の課税を受けるリスクを懸念していました。この懸念を解消し、長期的な投資の確実性を担保するために今回の延長が提案されました。
何が起きたのか
提案された法案によると、携帯電話やタブレット、ノートPCなどの電子機器分野において、外国企業がインドの受託製造業者に設備や部品を供給・保管する際の税負担が大幅に軽減されます。特に、税関の管理下にある「保税地域」に設置された工場や倉庫で部品を保管・提供する場合、そこから生じる所得は2041年まで非課税となります。ただし、これらの施設からインド国内市場へ製品を販売する際には輸入関税が課されるため、主に輸出向けの生産拠点を想定した制度設計となっています。
製造業・生産管理への見方
エレクトロニクス分野の製造業において、自社工場を持たずにEMS(電子機器受託製造サービス)を活用する「ファブライト」や「ファブレス」の形態をとる企業にとって、今回の税制改正はインド進出のハードルを大きく下げる要因になります。自社が所有する高額な生産設備や治工具を受託側に貸し出す際の課税リスクが排除され、さらに保税地域を活用した部品の備蓄・供給体制が整えやすくなるため、グローバルなサプライチェーンの多元化や、中国以外の代替生産拠点としてのインドの価値がさらに高まります。
現場で確認したいポイント
- インドの受託製造パートナーへ自社設備を移管・貸与する際の課税リスクの有無
- 保税地域(カスタムボンドエリア)を活用した部品保管と輸出向け生産プロセスの適合性
- データセンターのリース利用緩和に伴う、現地生産管理システムのインフラ選定
確認しておきたい点
本税制改正は法案の段階であり、インドの上下両院で可決される必要があります。また、保税地域からの国内販売には輸入関税が適用されるため、インド国内市場向けと輸出向けの生産比率に応じた慎重なコストシミュレーションが必要です。
出典情報
| 出典 | 1330 & 101.5 WHBL |
|---|---|
| 公開日時 | 2026-08-03T09:20:49+00:00 |
| 元記事 | 1330 & 101.5 WHBLで読む |