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ウォルマート、調達力を活かし製造網のESG推進

ウォルマートの2026年度ESG報告書から、調達力を活用したサプライチェーン全体の排出量削減と持続可能な製造プロセスの構築に向けた取り組みを解説します。

生産現場のシステムNAVI編集部
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この記事の要点: 米小売大手のウォルマートが発表した2026年度のESG報告書により、同社が巨大な購買力を背景に、世界19カ国に及ぶ製造ネットワークのサプライヤーに対して持続可能な製造プロセスや排出量削減を強力に促している実態が明らかになりました。同社は単なる取引先としての関係を超え、調達基準の厳格化と技術支援を組み合わせることで、サプライチェーン全体の強靭化と環境負荷低減を同時に進めています。

ニュースのポイント

  • 「Project Gigaton」を通じ、サプライヤーによる温室効果ガス削減活動を支援
  • 原材料調達におけるトレーサビリティシステムや国際認証制度の活用を義務化
  • デジタル技術を活用したリアルタイムなデータ共有で、製造現場の改善を継続支援

背景

ウォルマートは毎週約2億8000万人の顧客にサービスを提供する世界最大級のバイヤーです。同社の温室効果ガス排出の大半は自社の直接操業外(スコープ3)で発生しているため、グローバルな製造・物流ネットワークとの連携が不可欠となっています。このため同社は、調達部門を単なる購買窓口ではなく、ESG目標を達成するための戦略的インフラとして位置づけています。

何が起きたのか

同社が推進する「Project Gigaton」では、2017年以降にサプライヤーが報告したプロジェクトにより、2030年までに累計13.7億トンのCO2換算排出量の削減・回避が見込まれています。このプラットフォームは、エネルギー、廃棄物、包装、製品設計など6つの柱で構成され、製造企業向けに排出量計算ツールや実施ガイダンスを提供しています。また、2025年までに木材や水産物、農産物など20のグローバルな商品価値連鎖において環境・社会の持続可能性を高める「20×25イニシアチブ」を完了し、トレーサビリティの確立やサプライヤー教育を定着させました。

製造業・生産管理への見方

本取り組みは、グローバル製造業におけるサプライチェーン管理のあり方に大きな影響を与えます。ウォルマートのサプライヤーとなる製造企業は、単にコストや品質を満たすだけでなく、持続可能な包装への変更や原材料のトレーサビリティ確保、GHGプロトコルに準拠した排出量データの開示が求められます。一方で、ウォルマートは中小規模の製造企業に対して、技術支援や資金調達メカニズムへのアクセス、専門知識の提供といった「キャパシティビルディング(能力構築)」も行っており、デジタルプラットフォームを通じたリアルタイムな指標共有によって、製造現場の継続的な改善を後押ししています。

現場で確認したいポイント

  • 主要顧客からGHG排出量や廃棄物削減に関するデータ開示を求められた際の対応体制
  • 調達原材料における国際的な認証制度やトレーサビリティ確保への対応状況
  • 自社の包装資材や製品設計において、リサイクル性向上や素材削減が進んでいるか

確認しておきたい点

本報告書に示された排出量削減効果は、サプライヤーがプラットフォームを通じて自己申告した予測値を含んでおり、実際の削減実績との乖離や、第三者保証の適用範囲(スコープ1および2は保証取得済み)に注意する必要があります。

出典情報

出典 Bizclik Media Ltd
公開日時 2026-08-02T08:12:01Z
元記事 Bizclik Media Ltdで読む

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