海外製造業ニュース

韓国タングステン鉱山開発で生産体制強化へ

カナダのAlmonty Industriesが韓国で進めるタングステン開発プロジェクトの進捗と、今後の生産体制・コスト構造の見通しを解説。

生産現場のシステムNAVI編集部
韓国タングステン鉱山開発で生産体制強化へのアイキャッチ画像

この記事の要点: カナダのタングステン生産企業Almonty Industriesは、韓国で進めるフラッグシッププロジェクト「サンドン(Sangdong)タングステン鉱山」の建設と資金調達を着実に進めています。現在は開発段階にあり直近の売上高は限定的ですが、本格稼働後には同社の生産能力を大幅に引き上げ、中国以外で最大級のタングステン供給源となることを見込んでいます。本記事では、同プロジェクトの生産計画と製造現場への影響を解説します。

ニュースのポイント

  • 韓国サンドン鉱山の本格稼働により、同社のタングステン生産量は過去実績の2倍以上に拡大予定
  • 最新の選鉱・製錬プロセスの導入により、欧州の既存操縦鉱山よりも低い操業コストを目指す
  • 破砕・粉砕回路や浮遊選鉱システムなどの設備建設が進み、試運転に向けたマイルストーンを消化中

背景

Almonty Industriesはスペインやポルトガルでタングステン鉱山を運営してきた実績を持ちますが、既存設備は老朽化や品位の変動によるコスト上昇に直面していました。同社は戦略的金属であるタングステンの安定供給に向け、韓国のサンドン鉱山再開発に注力。2023年度の売上高は約2370万カナダドルに留まるものの、これは開発フェーズに伴う一時的なものであり、現在は建設投資と資金調達を優先するバランスシート構造となっています。

何が起きたのか

サンドンプロジェクトでは、地下開発(坑道や斜坑の掘削)に加え、地上の選鉱プラント、尾鉱処理施設などの建設が進められています。特に、鉱石を細かく砕く一次・二次破砕回路、粉砕回路、および有用鉱物を分離する浮遊選鉱セルの設置が重要なマイルストーンとなっています。稼働後は段階的な立ち上げ(ランプアップ)を計画しており、初期の鉱石処理量から設計上のフルキャパシティへと順次引き上げていく方針です。これにより、従来の欧州拠点に比べて高い回収率と安定した品位(WO3:三酸化タングステン)の確保を狙います。

製造業・生産管理への見方

タングステンは切削工具、耐摩耗部品、産業用機械、防衛関連など、製造業の基盤を支える極めて重要な超硬素材です。現在、世界のタングステン供給は中国に高度に依存しており、地政学的リスクやサプライチェーンの脆弱性が課題となっています。韓国における大規模鉱山の復活と最新鋭の選鉱プロセスの確立は、アジア圏およびグローバルな製造業にとって、中国依存度を下げ、安定した調達ルートを確保するための重要な代替選択肢となります。また、最新設備によるコスト抑制は、原材料価格の安定化にも寄与します。

現場で確認したいポイント

  • 超硬工具や耐摩耗部品の原材料調達において、中国依存度を下げる代替調達ソースとして検討できるか
  • サンドン鉱山の試運転および本格稼働のスケジュールが、自社の長期調達計画に与える影響はあるか
  • サプライヤーが提示するタングステン製品の価格や納期に、新たな鉱山開発による市場変化が反映されているか

確認しておきたい点

本プロジェクトは現在建設・開発段階にあり、実際の商業生産開始の時期や、目標とする回収率・操業コストが計画通りに達成できるかは、今後の試運転および立ち上げプロセスの進捗に依存します。

出典情報

出典 Almonty Industries stock trades near yearly low as tungsten project financing and production ramp re
公開日時 2026-07-27T20:39:35+02:00
元記事 Almonty Industries stock trades near yearly low as tungsten project financing and production ramp reで読む

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です