この記事の要点: 米国で7月24日、カナダ、メキシコ、EU、英国など約60の主要貿易相手国からの輸入品を対象とした新たな関税措置が発効しました。税率は10%から12.5%に及び、米国の輸入全体の99%を占める国々が影響を受けます。この措置は、過去の関税措置を違憲・違法とした連邦裁判所の判決を受けて導入されたもので、原材料や部品を海外に依存する製造業のサプライチェーンに大きな不確実性をもたらしています。
ニュースのポイント
- 主要貿易相手国約60カ国からの輸入品に対し、10%〜12.5%の新関税が発効
- カナダ、メキシコ、EU、英国などが対象となり、米国輸入全体の99%に影響が及ぶ
- コネチカット州の製造業の3分の2が、これまでの関税措置により悪影響を受けたと回答
背景
今回の新関税は、トランプ前政権による国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税措置を、連邦最高裁判所などが違憲・違法と判決したことを受けて導入されました。政府は対象国が強制労働による製品の禁輸措置を効果的に執行していないことを理由に挙げていますが、EUなどの貿易相手国は強く反発しています。さらに、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の再交渉が進む中、カナダ製の自動車などに対する50%の追加関税措置も来月発効する予定です。
何が起きたのか
新関税の影響は、すでに製造業の現場に影を落としています。コネチカット州ビジネス産業協会(CBIA)の2025年製造業レポートによると、同州の製造業者の3分の2が関税によって事業運営にマイナスの影響を受けたと回答し、プラスの影響があったとする企業はわずか3%にとどまりました。違憲判決を受けた以前の関税措置により、同州の輸入業者は推定6億9200万ドルのコスト負担を強いられており、全米では2025年4月から2026年2月までに推定1660億ドルの関税が支払われました。輸入業者は一部の返還を申請できるものの、手続きや資金の回収には時間を要します。
製造業・生産管理への見方
製造業や生産管理において、今回の関税措置は調達コストの急激な変動とサプライチェーンの再構築を強いる要因となります。特に中小規模の製造業者は、薄い利益率の中で高コスト構造に直面しています。同州では、関税導入を見越した駆け込み輸入により一時的に輸入額が急増したものの、主要な貿易相手国であるカナダやメキシコ、中国との貿易額は減少傾向にあります。部品や原材料の調達先が関税対象国に含まれている場合、生産計画の見直しや代替調達先の確保、あるいは製品価格への転嫁といった迅速な意思決定が求められます。
現場で確認したいポイント
- 自社のサプライチェーンにおいて、新関税の対象となる約60カ国からの調達品があるか
- 過去に支払ったIEEPA関税について、還付申請の対象に該当するか、手続き状況を確認する
- 主要な原材料や部品の調達コスト上昇に備え、代替サプライヤーの選定や価格交渉の準備を行う
確認しておきたい点
過去の関税措置に対する還付申請(全米で推定1660億ドル規模)は一部回収が可能とされていますが、実際にどの程度の金額がどのタイミングで手元に戻るかは不透明な部分が残されています。
出典情報
| 出典 | CBIA |
|---|---|
| 公開日時 | 2026-07-25T15:08:43+00:00 |
| 元記事 | CBIAで読む |