この記事の要点: 中国の農業・養豚大手である新希望六和(New Hope Liuhe)は、国内の豚肉価格が近年で最低水準に落ち込んだ影響を受け、2025年通期の業績が17億8400万元(約2億6350万ドル)の純損失に転落した。さらに2026年上半期も16億〜18億元の赤字見通しを発表。主力の飼料事業や海外展開は堅調を維持しているものの、養豚部門の価格低迷が全体の業績を大きく押し下げる要因となっている。
ニュースのポイント
- 2025年通期売上は微増も、豚肉価格の歴史的低迷により17.84億元の赤字転落
- 飼料事業は国内外で堅調を維持し、海外市場(インドネシア等)が成長を牽引
- 養豚部門ではPSY改善や生産モデルの最適化によるコスト削減を継続中
背景
中国の養豚業界は、周期的な価格変動(ピッグサイクル)の底に直面しています。2025年の中国国内の平均豚肉価格は1キログラムあたり13.77元と、近年で最低水準を記録しました。新希望六和は年間1755万頭を出荷する業界3位の規模を誇りますが、この市場価格の低迷が直撃し、規模の大きさがかえって損失を拡大する結果となりました。2026年上半期に入っても価格の本格的な回復は見られていません。
何が起きたのか
同社の事業セグメント別に見ると、基盤である飼料事業は国内外で計2974万トンを販売し、中国全土の生産量の8.7%を占めるなど業界トップの地位を維持しています。特にインドネシア、ベトナム、エジプトなどの海外市場での販売が638万トンに達し、リスク分散に貢献しました。一方で、養豚事業は価格下落による大打撃を受けました。同社は対策として、母豚1頭あたりの年間離乳子豚数(PSY)を業界トップクラスの「26」まで回復させ、自社農場と提携農家の比率を38:62にするなど、柔軟な生産体制への移行を進めています。
製造業・生産管理への見方
製造業やプロセス産業の視点では、本件は「市況の急激な変動(原材料・製品価格の乖離)に対して、生産管理の効率化とコスト削減がどこまで対抗できるか」というサプライチェーン管理の典型例と言えます。同社は防疫体制の強化や生産管理基準の向上、技術指標の改善を進め、単位あたりの生産コストを継続的に引き下げています。しかし、製品価格の下落幅がコスト削減のペースを上回っているため、赤字を相殺しきれていません。需要予測に基づき、2026年上半期には出荷規模を適度に縮小する生産調整に踏み切っており、市況に応じた柔軟な操業度管理の重要性を示しています。
現場で確認したいポイント
- 市場価格の急落に対し、生産コストの削減スピードが追いついているか
- 外部委託(提携農家)と自社生産の比率など、需要変動に耐える柔軟な生産体制があるか
- 特定の製品や市場に依存せず、海外展開や別事業(飼料等)でリスク分散ができているか
確認しておきたい点
本記事に示された業績や見通しは、中国国内の豚肉価格サイクルに強く依存しており、今後の黒字化のタイミングは市場価格の回復時期に左右されます。
出典情報
| 出典 | BigGo Finance |
|---|---|
| 公開日時 | 2026-07-23T22:05:51.000Z |
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