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ローコードMESの真のボトルネックはコードではない。データ連携と現場の壁

MES導入が進む一方で、企業全体での統合や設備データ連携に多くの工場が苦戦しています。ローコードツールが解決できない真の課題を解説します。

生産現場のシステムNAVI編集部
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この記事の要点: 製造実行システム(MES)の導入率は93%に達するものの、企業全体での統合やERP・PLM・品質・OTとの完全な連携を実現している企業はわずか23%にとどまります。近年注目を集める「ローコードMES」はアプリケーション開発の工数を削減しますが、製造現場における真のボトルネックはコード開発そのものではなく、設備データの接続性やデータの文脈化(コンテキスト化)、そして現場の運用プロセスにあります。

ニュースのポイント

  • MES導入は進むが、ERPやOTなど他システムとの完全統合は23%にとどまる
  • ローコードはアプリ開発を高速化するが、複雑な設備接続やデータ整理は解決しない
  • 現場の業務プロセス改善や、現場リーダーの巻き込み不足がプロジェクト失敗を招く

背景

ロックウェル・オートメーションが2026年7月に実施した調査によると、多くの製造業者がMESを導入しているものの、全社規模での活用や他システムとの統合に課題を抱えています。MESの「構成可能性(設定変更の容易さ)」は1997年のMESA定義当初から求められてきた仕様であり、近年のローコード技術によって初めてもたらされたものではありません。現場ごとのプロセスの多様性が、システム統合を難しくしています。

何が起きたのか

ローコードツールは画面やワークフローの構築を迅速化しますが、工場内の多様な設備からデータを収集するプロセスには影響を与えません。既存設備(ブラウンフィールド)への導入には多くの月数と技術者が必要であり、単にOPC UAなどの通信プロトコルを有効にするだけでは、データの意味(文脈)をシステムが理解できる形で定義する「マッピング作業」の負荷は減りません。また、現場のシフト監督者などを設計段階で巻き込まない技術主導の導入は、データ品質の低下や運用の形骸化を招く原因となっています。

製造業・生産管理への見方

生産管理や製造DXを推進する担当者にとって、ローコードMESは「魔法の解決策」ではありません。OEE(総合設備効率)の算出のような単純なデータ処理であれば容易に構築できますが、製品のトレーサビリティ(ロット追跡)といった複雑なデータモデルの構築には、高度な設計と専門知識が必要です。システムの構築速度を競う前に、現場の標準作業手順(SOP)の整理や、変更管理プロセスが確立されているかを評価することが、DX投資を無駄にしないための鍵となります。

現場で確認したいポイント

  • 導入予定のMESが、自社の既存設備(レガシー機器)とどのようにデータ連携できるか
  • 収集した生データに意味付け(コンテキスト化)を行うための工数が考慮されているか
  • システム設計段階に、現場のシフトリーダーや作業者が参画しているか

確認しておきたい点

本記事で紹介されたMES導入による「サイクルタイム45%削減」などの劇的な効果数値は、1990年代の限定的な調査やベンダーの宣伝資料に由来するものが多く、第三者機関による客観的かつ大規模な実証データは不足している点に留意する必要があります。

出典情報

出典 Robotics & Automation News
公開日時 2026-07-24T10:41:51+00:00
元記事 Robotics & Automation Newsで読む

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