この記事の要点: 米国のVACCO Industriesは、積層造形(AM)技術を用いて製造された圧力調整バルブを米海軍の潜水艦フリート維持プログラム向けに納入しました。このバルブ本体は、Penn United Technologiesがレーザー粉末床溶融結合法を用いて銅ニッケル合金で3Dプリントしたものです。組み立て後に非破壊検査や生産レベルの試験をクリアし、実際の潜水艦への搭載が承認されました。
ニュースのポイント
- 銅ニッケル合金を用いたレーザー粉末床溶融結合法による3Dプリントバルブの製造
- 米海軍のAM材料成熟化の取り組みと仕様に準拠し、非破壊検査などの厳しい試験をクリア
- 潜水艦産業基盤(SIB)の資金提供を受け、海軍海洋システムコマンドと連携して実施
背景
米海軍は、艦隊への先進的な製造手法の導入を目的とした「海洋維持技術・革新コンソーシアム(MSTIC)」プログラムを通じて、積層造形技術の活用を推進しています。今回のプロジェクトは、潜水艦産業基盤(SIB)からの資金提供を受け、海軍海洋システムコマンド(NAVSEA)との連携のもとで実施されました。部品供給の迅速化とサプライチェーンの強化が背景にあります。
何が起きたのか
今回の圧力調整バルブ製造では、Penn United Technologiesが銅ニッケル(Cu-Ni)合金粉末を使用し、レーザー粉末床溶融結合(L-PBF)方式でバルブ本体を3Dプリントしました。その後、VACCO Industriesが最終組み立てを担当しました。完成したバルブは、非破壊検査および生産レベルの厳格な試験をすべて通過し、潜水艦への実機搭載に向けた承認を得ています。VACCOは今後も海軍のAM材料仕様に準拠した部品製造を継続する方針です。
製造業・生産管理への見方
本件は、極めて高い信頼性と耐食性が求められる海軍の潜水艦用部品において、3Dプリンターによる金属積層造形(AM)の実用性が証明された重要な事例です。特に銅ニッケル合金のような特殊材料を用いた複雑な流体制御部品(バルブ)を、従来の鋳造や切削ではなくAM技術で製造し、非破壊検査をクリアした点は、製造業における調達リードタイム短縮や、多品種少量生産におけるサプライチェーンの強靭化に対する強力なアプローチとなります。
現場で確認したいポイント
- 自社製品や調達部品において、鋳造品から金属3Dプリントへの代替によるリードタイム短縮の余地があるか
- 銅ニッケル合金などの特殊材料を用いた金属積層造形(AM)の品質保証プロセスや検査体制の確立状況
- 防衛やインフラ分野で求められる厳格な材料仕様や非破壊検査基準への適合ノウハウの蓄積
確認しておきたい点
本記事では、3Dプリントされたバルブの具体的な製造コストや、従来の製造方法と比較した詳細なリードタイム削減幅については言及されていません。
出典情報
| 出典 | VoxelMatters – The heart of additive manufacturing |
|---|---|
| 公開日時 | 2026-07-18T13:00:29+00:00 |
| 元記事 | VoxelMatters – The heart of additive manufacturingで読む |