この記事の要点: 防衛大手のBabcockとSupacatは、イギリス陸軍向けとなる123台の戦術車両「Jackal 3」および「Jackal 3 Extenda」の製造を完了した。2026年7月13日に最終車両がデヴォンポート造船所の組立ラインからロールアウトし、第1次製造サイクルが終了。本プロジェクトでは、共通のシャシーアーキテクチャを採用し、高度な生産管理ソフトやセル生産方式を導入することで、効率的な組み立てと品質管理が行われた。
ニュースのポイント
- 4×4仕様70台と6×6仕様53台の計123台の生産を完了
- Babcockの生産管理ソフト「Pulse」で部品流動や品質検査を追跡
- 12基の組立セルを配置し、フル稼働期には1日1台の生産ペースを達成
背景
イギリス国防省は、ウクライナへの車両提供などに伴う戦術機動力の低下を補うため、2023年2月に最初の契約を締結した。設計開発はSupacatが担当し、大規模な組み立てやシステム統合、生産管理はBabcockが担う体制を構築。2024年2月からデヴォンポートに専用の組立施設を立ち上げて本格的な量産を開始し、その後追加受注した6×6仕様を含め、約3年5ヶ月で全数の納入に至った。
何が起きたのか
生産現場となったデヴォンポートのRaglan工場では、12基の組立セル(build cells)が配置され、フル稼働時には1営業日あたり1台を完成させるペースで製造が進められた。工程管理にはBabcock独自の生産管理ソフトウェア「Pulse」が導入され、部品の供給状況、組み立ての進捗、各セルでの品質検査結果がリアルタイムで追跡された。これにより、サプライチェーンの乱れを防ぎ、複雑なサブシステムの統合や検査工程を同一敷地内で完結させ、無駄な車両移動コストを削減している。
製造業・生産管理への見方
本プロジェクトは、多品種少量生産に近い「モジュール設計」と「セル生産」を組み合わせた製造業DXの好例である。4×4仕様と6×6仕様という異なる駆動方式の車両を、共通のフロントシャシーやパワートレイン、支持システムをベースに製造することで、設計・調達コストを抑制。さらに、生産管理ソフトによるデジタル進捗管理と、セル生産による柔軟な組み立て体制の構築により、仕様変更や追加発注(第2バッチの6×6仕様への変更)にも柔軟に対応できる生産ラインの強靭性を示している。
現場で確認したいポイント
- 共通プラットフォーム化による部品共通化と設計変更への追跡管理体制
- セル生産方式における作業進捗や品質検査結果のデジタルリアルタイム管理
- 地場サプライチェーンの比率向上による調達リードタイムと輸送リスクの低減
確認しておきたい点
国防省との契約上は最大240台まで調達可能とされているが、現時点で残り117台の追加発注は確定していない。今後の稼働率は輸出案件や英軍の追加予算に依存する。
出典情報
| 出典 | armyrecognition.com |
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| 公開日時 | 2026-07-16T08:03:14Z |
| 元記事 | armyrecognition.comで読む |