この記事の要点: 韓国のLGエレクトロニクスが、家電や車載分野で培った自社半導体設計技術を外部に提供するASIC(特定用途向け集積回路)設計サービス事業に参入した。同社は自社製品向けのシステムオンチップ(SoC)開発で20年以上の実績があり、台湾のTSMCとの強固な協力関係を活かして、設計から製造管理までを一貫してサポートする。これにより、急増するAI半導体需要を取り込み、新たな収益源の確保を目指す。
ニュースのポイント
- LGが自社SoC開発の知見を活かし、外部顧客向けのASIC設計サービスを開始
- TSMCとの長年の提携を背景に、設計最適化から量産管理まで一貫して支援
- 初の商用プロジェクトとして、韓国政府支援のAIロボット掃除機向けチップを開発
背景
LGはこれまで、スマートTV、ロボット掃除機、車載電子部品向けに自社でSoCを設計してきた。今回の事業展開は、社内技術を外部に商用化することで収益を多様化し、AI半導体エコシステムでの地位を強化する戦略的な転換である。すでに6ナノメートルプロセスのIPを確保しており、3年以内には3ナノメートル技術への対応も視野に入れている。
何が起きたのか
LGのSoCセンターが提供するASICサービスは、物理設計のみを行う一般的なデザインハウスとは異なり、アーキテクチャ設計からTSMCの製造プロセスへの最適化、量産時の生産管理までを包括的にサポートする。最初のプロジェクトは、韓国のファブレス企業が設計するロボット掃除機用AIプロセッサの開発支援であり、TSMCの6ナノメートルプロセスで製造され、将来的にLGの家電製品に搭載される予定である。
製造業・生産管理への見方
製造業のDXやスマート化において、製品に特化したカスタム半導体(ASIC)の重要性は高まっている。LGの参入は、自社で大規模な半導体設計部門を持たない中堅・中小の製造業やファブレス企業にとって、信頼性の高い設計・生産管理リソースを外部調達できる選択肢が増えることを意味する。特にTSMCの製造ラインを活用した効率的な生産管理や、開発コストの削減、製品化までの期間短縮(タイム・トゥ・マーケット)において、LGの量産実績に基づいたノウハウは大きなメリットとなる。
現場で確認したいポイント
- 自社製品のスマート化やAI化において、カスタム半導体(ASIC)の採用メリットがあるか
- 半導体設計から製造委託(ファウンドリ)への橋渡しを円滑に行えるパートナー体制があるか
- 開発コストの抑制と、量産フェーズにおける生産管理・品質保証の体制が確立されているか
確認しておきたい点
LGはTSMCの公式デザインエコシステムである「VCA(Value Chain Alliance)」の認定メンバーではないため、公式パートナーであるASICLANDなどの競合企業との位置づけの違いに留意する必要がある。
出典情報
| 出典 | KMJ |
|---|---|
| 公開日時 | 2026-07-01T18:45:26+09:00 |
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