この記事の要点: 米国のIEWCは、ウィスコンシン州ニューバーリンの本社において、制御盤製造部門の拡張に伴うテープカットセレモニーを実施した。同社は2026年1月以降、120名以上の新規雇用を創出しており、現在も100名以上の募集を行っている。今回の拡張は、2025年4月に実施した制御盤メーカー「Bevco」の買収に続くものであり、医療、データインフラ、産業オートメーションなどの重要システムを支える制御盤の供給体制を強化する狙いがある。
ニュースのポイント
- ウィスコンシン州本社の制御盤製造部門を拡張し、生産能力と雇用を大幅に拡大
- 応募前に制御盤の組み立てを体験できる独自の採用・育成プログラムを導入
- 地元の技術カレッジと提携し、全額会社負担の有給技術研修プログラムを提供
背景
IEWCは、産業用ワイヤーやケーブル、制御盤などの製造・販売を手がける企業である。2025年4月に同州サセックスを拠点とする制御盤メーカーのBevcoを買収したことで、制御盤事業の強化を進めてきた。今回の本社工場の拡張は、産業オートメーションや医療、データインフラといった成長分野における制御盤需要の増加に対応するためのものである。
何が起きたのか
IEWCは、製造現場の人材不足に対応するため、2つのユニークな人材育成プログラムを導入している。1つ目は「Try Before You Apply(応募前の体験)」プログラムで、求職者が応募する前に同社のトレーニングアカデミーで制御盤の組み立てを実際に体験できる。2つ目は、ウォキショー郡技術カレッジ(WCTC)と提携した「FasTrack」プログラムで、受講費用を全額会社が負担し、サセックスの拠点で有給の技術研修を提供する。また、同社は従業員持株制度(ESOP)を採用しており、会社全額負担の退職金制度などを通じて従業員の定着を図っている。
製造業・生産管理への見方
製造業において、高度な制御盤の製造には熟練した組み立て技術や電気知識を持つ人材が不可欠である。IEWCの取り組みは、単に求人広告を出すだけでなく、未経験者でもハードルを下げて応募できる「体験型採用」や、地域の教育機関と連携した「有給の技術教育プログラム」を自社で提供することで、製造現場の即戦力を自ら育成する仕組みを構築している点が特徴である。人材確保に悩む日本の製造業や生産管理部門にとっても、地域社会や教育機関と連携した持続可能な採用・育成モデルとして非常に参考になる事例と言える。
現場で確認したいポイント
- 自社の採用活動において、応募前に実際の作業を体験できるようなミスマッチ防止策があるか
- 地域の工業高校や技術専門学校と連携し、実務に即した共同教育プログラムを構築できるか
- 熟練工の技術を未経験者に短期間で伝承するための、社内トレーニング体制や設備が整っているか
確認しておきたい点
本記事は米国ウィスコンシン州におけるIEWC社の事例であり、日本国内の労働法規制や教育制度、持株制度(ESOP)の仕組みとは異なる部分がある点に留意する必要がある。
出典情報
| 出典 | WisPolitics |
|---|---|
| 公開日時 | 2026-06-29T20:22:19+00:00 |
| 元記事 | WisPoliticsで読む |