この記事の要点: ブラジルの航空機メーカー大手エンブラエルは、自動車業界の生産管理手法である「カイゼン(KAIZEN)」を取り入れることで、航空機製造のリードタイムを大幅に短縮しました。同社は2021年からトヨタのコンサルティングを本格的に導入し、現場作業員を巻き込んだ継続的な業務改善を推進。その結果、主力機「E-Jet」の製造リードタイムを2019年比で28%短縮することに成功し、増産と効率化を同時に実現しています。
ニュースのポイント
- トヨタ式カイゼンの導入により、主力機E-Jetの製造リードタイムを28%短縮
- 現場にエンジニアを配置し、トラブル発生時にその場で即座に解決する体制を構築
- サプライヤーとの協調体制を強化し、部品不足などの供給網トラブルを42%削減
背景
航空機製造は自動車製造に比べて生産台数が極めて少なく、部品点数は100万点を超え、サプライチェーンも複雑です。エンブラエルは2007年から日本の生産効率コンサルタントを起用していましたが、2021年にトヨタのコンサルティングを導入したことで、現場のムダや停滞を徹底的に排除する取り組みが本格化しました。
何が起きたのか
エンブラエルの製造現場では、仕掛品や余剰在庫が排除され、極めてクリーンな環境が維持されています。内装やアビオニクスなどの複雑なシステムを取り付ける工程では、作業エリアのすぐ近くに生産技術やシステムエンジニアのワークステーションを配置。大型モニターで各エリアの状況をリアルタイムに可視化し、問題が発生した際はその場で専門スタッフが即座に対応して、後工程への遅れ(トラベラーワーク)を防いでいます。
製造業・生産管理への見方
多品種少量かつ極めて複雑なプロセスを持つ航空機製造において、自動車業界の「カイゼン」や「ジャストインタイム」の思想が有効に機能することを示した好例です。単に作業スピードを上げるのではなく、付加価値を生まない工程を徹底的に排除し、現場作業員とエンジニアが一体となって課題解決にあたる体制は、製造DXや現場改善を進める日本の製造業にとっても大いに参考になります。
現場で確認したいポイント
- 現場の作業員が主体的に改善提案を行える環境や仕組みが整っているか
- トラブル発生時に、設計や技術の担当者が現場ですぐにサポートできる体制があるか
- サプライヤーの課題を早期に把握し、共同で解決を図る予防的な連携ができているか
確認しておきたい点
本記事に示された成果は、エンブラエルが長年にわたり段階的に取り組んできた結果であり、単に手法を導入するだけで短期的に同様の劇的な効果が得られるとは限りません。
出典情報
| 出典 | Leeham News and Analysis |
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| 公開日時 | 2026-06-25T07:20:53+00:00 |
| 元記事 | Leeham News and Analysisで読む |