この記事の要点: ベトナム・ハイフォンの工業団地に位置する韓国系鉄鋼加工メーカー、Steel Flower Hai Phong Electronics and Machineryにおいて、現場従業員の提案による生産ラインの改善活動が大きな成果を上げています。鋼板切断ラインの積載プロセスの見直しにより、設備投資を追加することなく生産性を27%以上向上させたほか、調達資材のサイズ最適化によって原材料の廃棄率を大幅に削減しました。
ニュースのポイント
- パレット交換時のライン停止を解消し、1シフトの生産量を5,500枚から7,000枚へ拡大
- 鋼板コイルの調達幅を最適化し、端材廃棄率を最大6.3%から最小0.9%へ低減
- 10名以上のコアメンバーからなるカイゼンチームを組織し、年間約100件の改善提案を創出
背景
ベトナムのSteel Flower Hai Phongは、従業員数86名の韓国系FDI(外国直接投資)企業で、鉄鋼製品の製造・加工を行っています。同社では生産効率と品質の向上を目指し、労働組合と経営陣が連携して現場主導の「創造的労働競争運動」を推進してきました。2025年には市内で最も多くの「創造的労働賞」を受賞した企業の一つとなっています。
何が起きたのか
具体的な改善として、生産管理チームリーダーのNgo Van Tai氏は、鋼板切断ラインの積載テーブルの運用方法を変更しました。従来はパレット交換のために毎回3分間ラインを停止していましたが、2つのテーブルを交互に使用し、傷防止用のフェルトを挟んで積載することで、ノンストップ運転を実現しました。また、購買担当のNguyen Hoang Yen氏は、仕入先から届くステンレスコイルの幅が注文サイズより35〜40mm広いことに着目し、発注仕様の適正化と裁断刃の調整を提案しました。これにより、コイル1本あたりの加工時間が75分から45分に短縮されました。
製造業・生産管理への見方
本事例は、多額の設備投資を行わなくても、現場の観察とプロセスの再設計によって生産性と歩留まりを劇的に改善できることを示しています。特に、パレット交換に伴う「微小な停止時間」の積み重ねが稼働率を下げている点や、サプライヤーからの過剰な原材料寸法がトリミング工程の負荷と廃棄物を増やしている点など、多くの製造現場に共通する課題への具体的な解決アプローチが示されています。また、従業員86名という規模でありながら、年間約100件の改善提案を生み出す仕組みとして、部門横断のカイゼンチームの設置や、成果に応じた報奨金制度が機能している点も参考になります。
現場で確認したいポイント
- 自社の生産ラインにおいて、パレット交換や段取り替えによる一時停止時間が累積で何分発生しているか
- 仕入先から納品される原材料の寸法に余分なマージンがあり、自社で無駄なトリミング加工をしていないか
- 現場から提出された改善アイデアを、部門間で調整して迅速に実行に移すための体制があるか
確認しておきたい点
本記事に記載されている改善効果(金額や削減率など)は、ベトナム現地工場における特定の生産ラインおよび2023年〜2025年の実績に基づくものであり、すべての鉄鋼加工現場で同様の効果が保証されるものではありません。
出典情報
| 出典 | vietnam.vn |
|---|---|
| 公開日時 | 2026-10-11T07:00:01.000Z |
| 元記事 | vietnam.vnで読む |