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米国の太陽光部材関税措置が製造業に与える影響

米国が導入するポリシリコン等の232条関税措置が、太陽光パネルのサプライチェーンと国内製造に与える影響を解説します。

生産現場のシステムNAVI編集部
米国の太陽光部材関税措置が製造業に与える影響

この記事の要点: 2026年8月、米国政府はポリシリコンおよびその派生物を対象とした通商法232条に基づく関税措置を発表しました。2026年12月4日に発効するこの措置は、太陽光パネルのバリューチェーン全体に最低輸入価格(MIP)を設定し、派生物に15%の関税を課すものです。これにより、米国内の太陽光関連部材の調達コストや、セル・モジュールなど上流・中流工程の製造業における投資判断に大きな変化が生じると予想されています。

ニュースのポイント

  • 世界一律の最低輸入価格(MIP)設定により、他国経由の関税回避を防止する
  • 国内投資を促す優遇策は、モジュール単体組立ではなくセル以上の工程が対象となる
  • 部材コストの上昇により、米国内の太陽光モジュール価格は2022年の高値水準へ逆戻り

背景

今回の232条措置は、13ヶ月に及ぶ米国商務省の調査を経て決定されました。従来の特定国を狙った相殺関税(AD/CVD)とは異なり、グローバル全体に適用されるため、生産地を移転させて課税を逃れる手法が通用しなくなります。米国政府は国内でのポリシリコン、インゴット、ウェーハ、セルの生産投資を行うメーカーに対して一時的な救済措置(国内回帰インセンティブ)を提供し、国内サプライチェーンの強化を狙っています。

何が起きたのか

新規則の導入により、米国のユーティリティ規模のモジュール価格は1ワットあたり0.40ドルを超え、2022年のピーク時に近い水準まで上昇すると予測されています。これにより、産業用システムコストは11%、ユーティリティ規模では20%上昇する見込みです。製造面では、ウェーハからモジュールまで一貫生産するメーカーや、セルからモジュールへの統合を行うメーカーは、税額控除(45X)の恩恵もありコスト競争力を維持しやすい一方、輸入セルに依存するモジュール単体組立企業は厳しい競争に直面します。

製造業・生産管理への見方

製造業や生産管理の観点では、部材調達のサプライチェーン再構築が急務となります。現在、米国内で稼働しているセル・モジュールの一貫生産能力は6.4GWにとどまり、自社モジュール需要を完全に満たせるセル内製化を達成しているメーカーはありません。そのため、当面は部材輸入に伴うコスト上昇を避けられず、調達計画の見直しが必要です。また、ポリシリコンやウェーハといった最上流工程は、高い建設コストや政策の不確実性から、今回の措置があっても米国内での新規設備投資に踏み切るハードルは依然として高いとみられています。

現場で確認したいポイント

  • 自社が調達する太陽光関連部材のサプライチェーンに、米国232条の対象国・部材が含まれるか
  • セルからモジュールまでの一貫生産体制を持つサプライヤーへの切り替えや比率調整の検討
  • 部材価格高騰に伴う、自社工場のエネルギー関連設備導入計画や予算への影響評価

確認しておきたい点

本措置による価格上昇の本格的な影響は、米国内に存在する1年分以上の既存在庫が消化される2027年以降に顕在化するとみられており、短期的影響と中長期的影響を分けて評価する必要があります。

出典情報

出典 woodmac.com
公開日時 2026-10-02T17:50:23
元記事 woodmac.comで読む

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