この記事の要点: Spiber株式会社は、自社素材「Brewed Protein™」の量産で培ってきた微生物発酵によるタンパク質生産の技術および設備を、他社のものづくりに開放する新事業「SPIBER BIOFOUNDRY(スパイバー バイオファウンドリ)」を開始します。量産化の大きな障壁となる「スケールアップの谷」の解決を目指し、菌株開発から100 kL超の商業スケールでの受託製造までを一貫してサポートする体制を整えました。
発表内容のポイント
- 自社素材の量産で培った菌株開発・発酵・精製技術と生産設備を社外に開放
- 目的タンパク質の生産性を引き上げる菌株開発と、使用ライセンスの提供
- 1 Lの培養槽から100 kL超の商業生産設備まで、プロセス開発と受託製造に対応
発表の背景
バイオものづくりの研究開発において、ラボ段階で高い生産量が得られても、商業スケールでの再現が困難な「スケールアップの谷」が課題となっています。さらに、パイロットから商業規模に至る受託発酵のキャパシティは世界的に逼迫しています。同社は自社素材の商業生産において、実機でのタンパク質生産濃度50 g/Lを達成しており、この実証された生産基盤をサービスとして外部に提供することで、新たな事業の柱を構築する狙いがあります。
何が発表されたのか
新事業では、主に2つのサービスを展開します。1つ目は「タンパク質高生産菌株開発」で、目的タンパク質の発現量や特性を最適化し、生産性を引き上げる菌株を開発・ライセンス提供します。同社の設計配列は、これまでに取り組んだ目的タンパク質の90%超で元の配列を上回る生産量を示しました。2つ目は「プロセス開発・受託製造」で、顧客が保有する生産菌を用いて、培養条件の検討からパイロット試作、100 kL超の商業設備での製造までを一貫して受託します。対象は研究用試薬、産業用酵素、診断原料、食品素材などです。
製造業・生産管理への見方
製造業や化学・素材分野において、バイオテクノロジーを用いたものづくりへの関心が高まる一方、量産化プロセスの構築には莫大な資金と時間、そして高度なノウハウが必要です。今回の受託事業開始により、自社で大規模な発酵・精製プラントを保有しない企業であっても、実証済みの商業スケール設備と量産ノウハウを活用できるようになります。これにより、バイオ由来の新素材や産業用酵素などの実用化・市場投入までの期間を大幅に短縮できる可能性があり、製造業におけるバイオDXやサステナブルなものづくりの社会実装を後押しする動きとして注目されます。
現場で確認したいポイント
- 自社が開発中のバイオ素材や酵素について、商業スケールでの量産化に課題がないか
- 試薬、酵素、食品素材などの受託製造において、要求される品質やコスト基準を満たせるか
- 開発した菌株のライセンス条件や、プロセス開発における知的財産の取り扱い方針
確認しておきたい点
到達可能な生産濃度は、対象となるタンパク質や培養条件などによって異なるため、個別案件ごとの検証が必要です。また、受託製造の具体的な空きキャパシティや費用感については、同社への直接の確認が必要となります。
出典情報
| 出典 | PR TIMES |
|---|---|
| 発表企業 | Spiber株式会社 |
| 発表日時 | 2026-10-02 17:00:01 |
| 元記事 | PR TIMESで読む |