この記事の要点: 愛媛県今治市は2026年7月9日、同市菊間町にて「菊間のエビ」養殖実証試験場の開所式を開催した。本プロジェクトは、地域おこし協力隊員の提案を契機に、地元の有限会社菊間衛生社が民間事業第一号として参入したもの。需要縮小により使われなくなった瓦工場跡地を養殖施設として再生し、近隣の太陽石油株式会社四国事業所から提供される排熱海水を活用してバナメイエビの陸上養殖を行う実証試験が本格化する。
発表内容のポイント
- 瓦工場跡地を陸上養殖施設へ転用し、遊休化した産業インフラを有効活用
- 近隣のエネルギー事業所から供給される排熱海水を活用し、エネルギー効率を向上
- 薬品に頼らない徹底した飼育環境管理により、安心・安全なエビの生産を目指す
発表の背景
今治市菊間町は伝統的な「菊間瓦」などの瓦産業で知られていたが、近年は住宅様式の変化や新築着工数の減少に伴い瓦需要が縮小し、不稼働となった瓦工場の跡地利用が課題となっていた。こうした中、元メカニカルエンジニアの地域おこし協力隊員が、屋内への可搬型水槽設置によるエビの陸上養殖を提案。地域資源の再評価と、地元企業およびエネルギー産業との連携により、今回の実証試験場の整備へと至った。
何が発表されたのか
本実証試験場では、有限会社菊間衛生社が主体となり、瓦工場跡地を養殖スペースとして改修・整備した。養殖対象はバナメイエビで、陸上養殖の強みである「徹底管理された飼育環境」を構築することで、薬品を使用しない安全な育成を行う。また、太陽石油四国事業所から排出される温かい排熱海水を活用することで、水温維持に必要なエネルギーコストを抑える仕組みを導入している。生産されるエビは殻まで柔らかく、丸ごと食べられる品質が特徴である。
製造業・生産管理への見方
製造業や生産管理の視点において、本件は「遊休資産(廃工場)の転用」と「工場排熱(エネルギー)の地域循環」を両立させた先進的な産業創出モデルと言える。特に、製造プロセスの副産物である排熱(温排水)を他産業の熱源として再利用するアプローチは、製造業DXやグリーン変革(GX)における地域連携の好例である。また、陸上養殖は水質や温度の厳密なプロセス管理が求められるため、製造業で培われたエンジニアリング技術や生産管理手法が直接活かせる分野としても注目される。
現場で確認したいポイント
- 瓦工場跡地の建屋構造や耐荷重が、水槽設置などの陸上養殖設備にどう適合したか
- 排熱海水の供給量や温度の安定性と、養殖管理システムとの連動方法
- 実証試験におけるエビの生産管理体制と、今後の安定供給に向けたスケールアップ計画
確認しておきたい点
プレスリリースには、実証試験場における具体的な生産規模(年間生産量や水槽数など)や、排熱海水利用による具体的なコスト削減効果の数値は記載されていません。今後の事業化に向けた採算性の検証状況に注視する必要があります。
関連リンク
- 今治市公式ホームページ:今治市の公式ウェブサイトです。
- 発表企業のPR TIMESページ
出典情報
| 出典 | PR TIMES |
|---|---|
| 発表企業 | 今治市役所 |
| 発表日時 | 2026-07-16 15:00:01 |
| 元記事 | PR TIMESで読む |