この記事の要点: 株式会社ROKIは、大気中に含まれる低濃度のCO₂を直接回収し、従来よりも低い80℃の温度で再生できるフッ素フリー金属有機構造体(MOF)を開発しました。この技術は、空気からCO₂を直接回収するDAC技術の課題であるエネルギー消費の削減に貢献するもので、回収したCO₂を100%相当まで濃縮できる特性も備えています。今後は実用化に向け、装置への適用評価や検証を進める方針です。
発表内容のポイント
- 大気中から回収したCO₂を測定上ほぼ100%に相当する高濃度まで濃縮可能
- 従来の120℃以上から80℃への低温再生に対応し、産業排熱の有効活用に寄与
- フッ素フリー設計により環境適合性を高め、将来的な規制リスクを低減
発表の背景
カーボンニュートラルの実現に向けて大気中からCO₂を直接回収する技術(DAC)が注目されていますが、回収時のエネルギーコストの高さや、材料の環境適合性、高湿度下での性能低下が課題となっていました。ROKIはこれらの課題を解決するため、低エネルギーで運用でき、環境負荷の低い新しい吸着材料の開発に取り組みました。
何が発表されたのか
新開発されたMOFは、実験室内の大気を用いた評価において、吸着後に出口のCO₂濃度が検出限界値まで低下し、脱着時には回収したCO₂を100%相当まで濃縮できる性能を示しました。また、従来のフッ素含有MOFと比較して吸湿性が20wt%に抑えられており、再生温度も従来の120℃以上から80℃以上へと引き下げられています。これにより、工場などの低温排熱を利用した効率的なCO₂回収プロセスの構築が可能になります。
製造業・生産管理への見方
製造業において、工場から排出される低温排熱は有効利用が難しいケースが多くありました。今回のMOFは80℃という低温熱源での再生に対応しているため、これまで廃棄されていた排熱をCO₂回収・濃縮のエネルギー源として再利用できる可能性があります。また、フッ素フリー設計であるため、製造現場における化学物質の環境・安全規制への適合や、将来的な規制リスクの回避という観点からも、導入しやすい材料技術として期待されます。
現場で確認したいポイント
- 実機搭載に向けた賦形化技術や、モジュール化した際の性能評価の進捗状況
- 実際の製造現場を想定した、繰り返し吸脱着における長期耐久性と安定性
- 高湿度環境下における吸着性能の維持力と、具体的な評価データの有無
確認しておきたい点
本技術は実験室内の評価条件に基づくものであり、実際の使用環境や装置仕様によって性能が異なる場合があります。また、実用化に向けた賦形化や長期耐久性、高湿度下での安定性については、今後の検証課題とされています。
関連リンク
- 株式会社ROKI 公式サイト:発表企業である株式会社ROKIの公式ホームページです。
- 株式会社ROKI PR TIMESページ:ROKIのプレスリリース一覧が掲載されているページです。
出典情報
| 出典 | PR TIMES |
|---|---|
| 発表企業 | 株式会社ROKI |
| 発表日時 | 2026-07-01 08:30:01 |
| 元記事 | PR TIMESで読む |