NECネクサソリューションズは、組立製造業向けの新しい生産管理システム『EXPLANNER/Jx』を発売しました。本製品は、同社の従来製品を統合・強化し、多様化する生産形態への対応力向上を企図したものです。
背景:多様化する生産形態への対応
NECネクサソリューションズが発表した『EXPLANNER/Jx』は、同社がこれまで提供してきた生産管理システム「EXPLANNER/J」と「EXPLANNER for Prozess」の機能を統合し、発展させた後継製品と位置づけられています。この動きの背景には、現代の組立製造業が直面する、生産形態の複雑化という課題があると考えられます。
従来の見込生産や個別受注生産といった単一のモデルだけでなく、両者が混在するハイブリッド生産や、BTO(Build to Order)のような柔軟な生産方式が求められるようになりました。このような環境下では、生産管理システムにも、より高度な柔軟性と統合的な情報管理能力が不可欠となります。今回の新製品は、こうした市場のニーズに応えることを目的として開発されたものと言えるでしょう。
システムの主な特徴と実務への影響
『EXPLANNER/Jx』は、特に組立製造業の業務プロセスに焦点を当てた機能強化が図られています。日本の製造現場にとって重要ないくつかのポイントを考察します。
1. 柔軟な部品構成(BOM)管理:
製品の多様化や頻繁な設計変更は、多くの現場で部品構成マスタ(BOM)の管理を複雑にしています。新システムでは、こうした変化に迅速に対応できる柔軟なBOM管理機能が強化されていると見られます。これにより、設計部門と製造部門との連携がスムーズになり、手配ミスや手戻りの削減に繋がることが期待されます。
2. 需給調整と生産計画の高度化:
需要の変動が激しい昨今、精度の高い需給計画と、それに基づいた迅速な生産計画の立案は、納期遵守と在庫最適化の鍵を握ります。MRP(資材所要量計画)の処理能力向上や、複数のシナリオを想定したシミュレーション機能は、計画担当者がより的確な意思決定を下すための強力な支援ツールとなります。急な受注変動や供給遅延といった不測の事態にも、代替案を素早く検討できる点は実務上の大きなメリットです。
3. 外部システムとの連携強化:
生産管理システムは、単体で機能するだけでなく、販売管理や会計、さらにはMES(製造実行システム)といった周辺システムと連携することで、その真価を発揮します。データ連携が強化されることで、受注から生産、出荷、会計までの一連のプロセスが円滑に繋がり、企業全体の情報が一元管理され、経営判断の迅速化・高度化に貢献します。
日本の製造業への示唆
今回の新製品の発表は、日本の製造業、特に多品種少量生産やハイブリッド生産に取り組む中堅・中小企業にとって、重要な示唆を含んでいます。以下に要点を整理します。
・生産形態の進化にシステムを追従させる必要性:
事業環境の変化に合わせて、生産のやり方は常に進化しています。しかし、基幹となる生産管理システムが古いままでは、現場の工夫だけに頼ることになり、いずれ限界が訪れます。自社のビジネスモデルとシステムの機能が乖離していないか、定期的に見直すことが重要です。見込生産と受注生産の混在など、複雑な要件に標準機能で対応できるパッケージシステムの登場は、こうした見直しの良い契機となるでしょう。
・データ連携による全体最適の追求:
部門ごとにシステムがサイロ化している状態では、部分最適に陥りがちです。設計、購買、生産、販売、品質管理といった各部門のデータを連携させ、サプライチェーン全体を俯瞰して最適化を図る視点が不可欠です。システム刷新を検討する際は、個別の機能だけでなく、他システムとの連携のしやすさや、データ活用の拡張性も評価軸に加えるべきです。
・俊敏性(アジリティ)の確保:
市場の不確実性が高まる中、変化に素早く対応できる俊敏性は、企業の競争力を左右します。生産計画のシミュレーション機能を活用して様々な事態に備えたり、柔軟なBOM管理で製品の市場投入を早めたりと、ITシステムを武器として活用していく姿勢が、これからの製造業経営には求められます。


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