海外製造業ニュース

米BD、医療消耗品の国内生産に190億ドル投資へ。サプライチェーン強靭化を推進

米医療技術大手のBDが政府と提携し、190億ドル規模の国内製造・サプライチェーン投資計画を発表。年間50億個の医療消耗品増産を目指します。

生産現場のシステムNAVI編集部
米BD、医療消耗品の国内生産に190億ドル投資へ。サプライチェーン強靭化を推進

この記事の要点: 米国の医療技術大手BD(ベクトン・ディッキンソン)は、米政府との新たなパートナーシップのもと、国内の製造能力、操業体制、およびサプライチェーンインフラの拡張に向けて数年間で190億ドル(約2兆8000億円規模)を投資する計画を発表しました。この取り組みは、海外からの供給ショックや物流の混乱から国内の医療現場を守り、重要部材の安定調達を確保することを目的としています。

ニュースのポイント

  • 総額190億ドルの投資を計画し、うち30億ドルを国内製造ネットワークの拡張に充当
  • 年間約50億個の医療消耗品を増産し、国内供給比率を約80%に引き上げる目標を設定
  • 米国向け注射針の100%を国内生産し、原材料には米国製スチールを採用する方針

背景

近年の公衆衛生危機や物流の混乱により、医療現場では重要部材の供給不足が課題となっていました。BDが製造する医療消耗品は、米国の病院受診の約90%で使用されており、急性期治療や血管アクセス、呼吸器処置などの基盤を支えています。グローバルな供給ショックから医療インフラを守るため、政府と連携した国内生産への回帰とサプライチェーンの再構築が急務となっていました。

何が起きたのか

BDは数年間をかけて国内オペレーションに資金を投入し、そのうち30億ドルをネブラスカ、コネチカット、ユタ、テキサス、ジョージア、サウスカロライナ、プエルトリコなどの戦略的生産拠点に配分します。これにより、年間約50億個の医療消耗品の増産が可能となり、同社が供給する消耗品の国内生産比率は約80%に達する見込みです。さらに、米国で使用される同社製注射針の100%を米国製スチールを用いて国内生産する体制を整えます。また、一定のマイルストーン達成を条件に、通商拡大法232条に基づく将来の関税措置から除外される規定も盛り込まれています。

製造業・生産管理への見方

本件は、製造業における「地産地消(ローカル生産)」への回帰と、政府連携によるサプライチェーン強靭化の象徴的な事例です。特に、重要部材の原材料(米国製スチール)まで国内調達にこだわる姿勢は、地政学的リスクや関税リスクを回避するための極めて強固な調達戦略と言えます。また、特定の成果を条件に関税免除などの優遇措置を得るスキームは、製造拠点の国内回帰(リショアリング)を検討する他業界のメーカーにとっても、政府交渉や投資計画の策定における重要な先行指標となります。

現場で確認したいポイント

  • 自社製品の重要部材において、海外依存度が高い部品や原材料の特定と代替ルートはあるか
  • 地政学的リスクや関税変動に対し、国内生産への切り替えが可能な生産体制や調達網があるか
  • 政府の産業支援策や関税優遇措置を活用できる、国内投資や拠点整備の選択肢はあるか

確認しておきたい点

本パートナーシップによる具体的な財務的影響額は、公式な関税率や対象製品の範囲、実施時期などが未確定であるため、現時点ではBD側から公表されていません。

出典情報

出典 Respiratory Therapy
公開日時 2026-10-13T17:10:00+00:00
元記事 Respiratory Therapyで読む

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です