この記事の要点: 化学大手のBASFは、自動車メーカーのChery(奇瑞汽車)およびシステム開発のOrient Motionと共同で、世界初となる量産型の電気機械式ブレーキ(EMB)バイ・ワイヤシステムを発表しました。このシステムはCheryのプレミアムブランド「EXEED」の新型モデルに搭載されます。BASFの高性能エンジニアリングプラスチックを採用することで、主要部品の耐久性を確保しつつ、従来の金属製ペダルと比較して約25%の軽量化を達成しています。
発表内容のポイント
- 従来の油圧式から電子制御アクチュエーターに置き換えるEMB技術の量産化に成功
- BASFの高性能樹脂「Ultramid」と「Ultradur」をペダルや制御ユニットに採用
- 樹脂ベースの設計により、従来の金属製ペダルモジュール比で約25%の軽量化を実現
発表の背景
自動車業界では電動化やソフトウェア制御(SDV)への移行が進んでおり、ブレーキシステムにも高度な電子制御化が求められています。また、中国では電気伝達式制動システム(ETBS)を対象に含む新しい国家標準「GB 21670-2025」が整備されたことで、EMB技術の普及に向けた規制面での枠組みが整い、今回の量産化プロジェクトを後押しする背景となりました。
何が発表されたのか
今回発表されたEMBシステムは、従来の油圧伝達機構を電子制御アクチュエーターに置き換えることで、ブレーキシステムと車両運動制御、ソフトウェアプラットフォームの緊密な統合を可能にします。BASFのポリアミド樹脂「Ultramid」およびポリブチレンテレフタレート樹脂「Ultradur」は、オール樹脂製のブレーキペダル、モーターギアユニット(MGU)、ドメインコントロールユニット(DCU)に採用されました。これらの材料は、厳しい使用環境下でも優れた機械的強度、電気絶縁性、寸法安定性を発揮します。
製造業・生産管理への見方
製造業や生産管理の視点からは、自動車部品の「金属から樹脂への代替(メタルリプレイスメント)」における高度な量産実績として注目されます。安全保安部品であるブレーキシステムにおいて、高い強度と信頼性を維持しながら25%の軽量化を達成したことは、今後の車体軽量化設計や材料選定に強い影響を与えます。また、中国市場における新しい国家規格への迅速な適合と、化学メーカー、自動車メーカー、システムサプライヤーによるサプライチェーンを横断した共同開発体制は、製造業DXや新技術の市場投入スピードを加速させる先行事例と言えます。
現場で確認したいポイント
- 金属部品から樹脂部品への代替における、強度設計や耐久性評価の基準
- 高温・高湿度環境下におけるエンジニアリングプラスチックの寸法安定性の確保方法
- 新規格(中国国家標準GB 21670-2025など)に適合する製品開発プロセスの構築
確認しておきたい点
本システムに用いられた軽量化効果(約25%削減)や制動応答などの性能データは、共同開発パートナーであるOrient MotionおよびCheryの試験データに基づいています。また、日本国内の法規制や保安基準への適合性については、現時点で言及されていません。
出典情報
| 出典 | PR TIMES |
|---|---|
| 発表企業 | BASFジャパン株式会社 |
| 発表日時 | 2026-10-08 15:53:32 |
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