この記事の要点: bestat株式会社は、同社が提供する3Dデータプラットフォーム「3D.Core」が、プレス機械のメンテナンス・保全を専門とするしのはらプレスサービス株式会社に本格導入されたことを発表しました。実証実験(PoC)を経ての導入となります。これにより、図面のない古い設備や現場の状況をスマートフォンなどで手軽に3Dデータ化し、全国の営業拠点と顧客間での情報共有や、メンテナンスノウハウの蓄積に活用します。
発表内容のポイント
- 客先での3Dスキャン作業にかかる時間を、従来の約6時間から約0.5時間へと最大12分の1に短縮
- スマートフォンとAIの活用により、専門機材や専門人材を必要とせず誤差1%未満の3Dデータを生成
- 手作業による測定のばらつきや測り忘れを防止し、メンテナンスのノウハウを組織の資産として蓄積
発表の背景
しのはらプレスサービスは、多種多様なメーカーのプレス機械のメンテナンスやレトロフィットを手掛けています。同社では、図面のない古い設備を正確に記録することが長年の課題でした。高精度なレーザースキャナーは準備や操作に専門性が必要で扱える人員が限られており、一方で手作業による測定は測定者ごとの属人化や測り忘れが発生していました。そのため、高精度スキャナーと手作業の中間に位置する、手軽で実用的な測定手法が求められていました。
何が発表されたのか
導入された「3D.Core」は、LiDAR機能とAIを組み合わせることで、スマートフォンでの撮影から誤差1%未満の3Dデータを生成できるプラットフォームです。大掛かりな機材を持ち込むことなく、現場の担当者がその場で撮影して3Dデータ化し、本部の担当者や顧客と迅速に共有できます。これにより、従来は約6時間かかっていたスキャン作業が約30分に短縮されました。また、設備全体を丸ごと3Dで記録するため、手書きスケッチで起こりがちだった測定漏れを防ぎ、データの標準化を実現しています。
製造業・生産管理への見方
製造現場における設備の老朽化や、過去の図面が紛失している古い機械のメンテナンスは、多くの保全現場で共通する課題です。特に熟練技術者のノウハウに依存した測定や点検作業は、技術承継の観点からもデジタル化が急務となっています。今回の事例は、専用の3Dスキャナーを導入する予算や専門人材の確保が難しい現場であっても、スマートフォンという既存のデバイスとAIプラットフォームを活用することで、手軽に高精度なデジタルツイン環境を構築できる点を示しています。保全業務の効率化だけでなく、現場データの資産化による製造業DXの好例と言えます。
現場で確認したいポイント
- 自社の保全対象設備において、図面が欠落しているものや手作業での測定に時間を要している箇所があるか
- スマートフォンを用いた3Dスキャンで、自社の求める測定精度(誤差1%未満など)や品質を満たせるか
- 現場で取得した3Dデータを、拠点間や協力会社、顧客との間で円滑に共有・活用できる運用体制があるか
確認しておきたい点
本システムによる3Dデータの生成精度は「誤差1%未満」とされていますが、極めて高い寸法精度が要求される精密設計や、特定の超高精度測定の代替となるかについては、自社の実務要件に照らし合わせて事前に検証する必要があります。
出典情報
| 出典 | PR TIMES |
|---|---|
| 発表企業 | bestat株式会社 |
| 発表日時 | 2026-09-29 09:00:02 |
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