この記事の要点: カジュアルシャツブランド「CLOFT」を展開する株式会社T&Yは、2026年秋冬の新作長袖シャツ3型を発表しました。国内で供給される衣料品の国産比率が1.1%にまで落ち込むなか、同ブランドは国内の限られた縫製工場と連携し、ドレスシャツと同等の本格的な仕立てを維持しています。一度失われると復元が困難な国内縫製技術の現状と、ものづくりにおける工場との関係構築の重要性を示しています。
発表内容のポイント
- 1990年に50.1%だった衣料品の国産比率が、2025年には1.1%まで急減
- 本縫い「巻き伏せ縫い」やフラシ芯の使用など、国内工場の高度な技術を維持
- 長年の業界キャリアに基づく信頼関係により、新規参入が難しい優良工場と連携
発表の背景
1990年には約10億点(国産比率50.1%)あった国内の衣料品生産量は、デフレに伴う生産拠点のアジア移転により、2025年には5,341万点(同1.1%)へと激減しました。2022年のコロナ禍や円安局面では一時的に国内工場へ注文が集中したものの、中小・零細の縫製工場は物価高や人手不足、後継者難により廃業が相次いでおり、受注を受け皿となる生産体制そのものが縮小し続けています。
何が発表されたのか
CLOFTのシャツは、カジュアルなデザインでありながら、ドレスシャツと同等の高度な縫製仕様を採用しています。具体的には、肌に触れる部分にロック糸を露出させない本縫いによる「巻き伏せ縫い」、細かいステッチで美しさと強度を両立する高運針、衿に立体感と柔らかさを与える「フラシ芯」の使用、そしてアイロンによる形整えから畳みまで徹底する最終仕上げが特徴です。これらの工程を一貫して行える技術を持つ工場は国内でも極めて限定されています。
製造業・生産管理への見方
アパレル製造業における「技術の喪失」は、単なる生産能力の低下に留まらず、長年の現場勘に支えられた手作業や難度の高い仕立て技術そのものが途絶えることを意味します。量産化と効率化の波に押され、多くの現場で手間をかける工程が削減される中、同ブランドは「日本製」というラベルではなく、求める品質から逆算して国内工場を選択しています。これは、製造業DXや生産管理において、単なるコスト削減や自動化だけでなく、維持すべきコア技術をいかに定義し、サプライチェーンを維持するかという重要な視点を提供しています。
現場で確認したいポイント
- 自社のサプライチェーンにおいて、代替不可能な高度技術を持つ国内工場との関係が維持できているか
- 効率化やコスト削減の過程で、製品の品質やブランド価値を支える「見えない手間」を削り落としていないか
- 熟練工の引退や廃業に伴う技術流出に対し、技術継承や適切な工賃設定などの対策が取れているか
確認しておきたい点
本リリースに記載されている国産比率や生産量の推移は、WWDJAPANおよび日本繊維輸入組合の公表データに基づいています。また、国内縫製工場への発注集中に関する記述は2022年時点の業界紙報道を引用したものであり、現在のすべての縫製工場の稼働状況を保証するものではありません。
出典情報
| 出典 | PR TIMES |
|---|---|
| 発表企業 | 株式会社T&Y |
| 発表日時 | 2026-09-27 14:00:01 |
| 元記事 | PR TIMESで読む |