この記事の要点: 老舗木工家具メーカーの飛騨産業株式会社は、国産杉の有効活用研究で培った特許取得技術「高圧水蒸気蒸留法」を応用し、インドネシア産サンダルウッド(白檀)を用いた精油および芳香蒸留水の国内製造・販売を開始しました。香木・香料の輸入卸を行うクロゴ株式会社との共同開発により、原料調達から国内製造、品質管理までを一貫して行う持続可能なサプライチェーンを構築し、品質の透明性を高めた製品提供を目指します。
発表内容のポイント
- 国産杉の活用で培った特許技術「高圧水蒸気蒸留法」を海外森林資源へ初展開
- 自社でのGC/MS成分分析により、模倣品が課題となる市場で品質を可視化
- 現地生産者との直接取引ルートを活用し、フェアトレードとトレーサビリティを確保
発表の背景
サンダルウッド(白檀)は成木になるまで最低25年を要し、複雑な流通構造から生産者への利益還元が不十分で、持続可能な栽培が困難な状況にありました。また、国内市場では海外製造の精油が多く流通し、成分分析データの開示不足や模倣品の存在が課題となっていました。飛騨産業は、日本の森林資源活用で磨いた技術を世界の森林資源保全と生産者支援に役立てるため、本プロジェクトを始動しました。
何が発表されたのか
本プロジェクトでは、一般的な常圧水蒸気蒸留法と比べて短時間で効率よく抽出でき、熱による香気成分への影響を抑える「高圧水蒸気蒸留法」を採用しています。飛騨産業とクロゴはゼロから蒸留条件の検証を重ね、サンダルウッドの特性を引き出す国内製造技術を確立しました。さらに、飛騨産業が自社でGC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析)による成分分析を実施・開示することで、客観的な品質保証を行います。原料はクロゴが構築したインドネシア生産者との直接取引ルートから調達されます。
製造業・生産管理への見方
本件は、製造業における「素材加工技術の他分野展開」および「トレーサビリティを重視したサプライチェーン構築」の好例です。木工家具製造で培った木材加工・蒸留技術を、高付加価値な化学・香料分野の製品製造へと応用しています。また、調達ルートの不透明さや品質偽装が課題となる素材市場に対し、自社分析によるデータ開示と直接取引によるフェアトレードを組み合わせることで、製造元が主導して原料から製品まで一貫した品質保証体制を構築するアプローチは、製造業DXや調達管理の観点からも注目されます。
現場で確認したいポイント
- 高圧水蒸気蒸留法による抽出効率や品質向上のメカニズムと他木材への応用可能性
- 自社でのGC/MS分析体制の構築と、品質データ開示による市場差別化の効果
- 海外の一次生産者と直接つながるサプライチェーンにおける、調達安定性とコスト管理
確認しておきたい点
本リリースには、高圧水蒸気蒸留法による具体的な生産能力(日産・月産量)や、今後の生産規模拡大に向けた設備投資計画についての記載はありません。
出典情報
| 出典 | PR TIMES |
|---|---|
| 発表企業 | 飛騨産業株式会社 |
| 発表日時 | 2026-09-25 10:00:02 |
| 元記事 | PR TIMESで読む |