この記事の要点: オン・セミコンダクター株式会社は、複数の半導体ダイを単一のシリコンデバイスに統合する新アーキテクチャ「エンベデッドパワープラットフォーム(EPP)」を発表しました。シリコンウェハそのものをパッケージの基盤として活用することで、電気・機械・熱設計を初期段階から統合的に最適化します。これにより、従来ソリューションと比較して3〜5倍の電力密度を実現し、システムの複雑さ軽減と開発期間の短縮に貢献します。
発表内容のポイント
- シリコンウェハをパッケージ基盤とし、SiCやGaNなどの技術を一体的に実装
- 電気・機械・熱設計を統合最適化し、従来比3〜5倍の電力密度と放熱性向上を達成
- 自動車やAI分野の戦略顧客向けに、2026年中のサンプル提供開始を予定
発表の背景
AIインフラや電動モビリティ、産業オートメーションの進展に伴い、限られたスペースで大電力を効率的に扱う要求が高まっています。しかし、従来のパワーシステム開発では電気、機械、熱の設計が個別に行われることが多く、設計のトレードオフ調整や手戻りによる開発期間の長期化が課題となっていました。オンセミは、半導体製造技術とパッケージング技術を融合させることで、この設計プロセスの根本的な変革を目指しています。
何が発表されたのか
EPPは、FET、ドライバ、コントローラなどの複数デバイスを単一パッケージ内に組み込み、12インチシリコンウェハ製造技術を用いて半導体製造工程の中で統合プロセスを行います。これにより、寄生インダクタンスの低減による電力損失の削減や、高周波動作への対応が可能になります。例えば、AIラック向けのソリッドステートサーキットブレーカー設計では約50%の小型化と20%の温度低減を達成し、電動車のインバータ設計では最大4倍の電力密度と15%の電力損失低減を見込んでいます。
製造業・生産管理への見方
製造業や生産管理の視点では、産業機器の電源ユニットや自動化設備の制御部における「熱対策」と「省スペース化」のブレイクスルーとして注目されます。EPPは共通のプラットフォーム上で設計・シミュレーション・最適化を統合的に行うため、開発期間を最短4カ月まで短縮できるとしています。また、スケーラブルな共通アーキテクチャにより、複数車種や異なる出力クラスで設計を共通化できるため、製造コストの低減や部品管理の簡素化、研究開発費の抑制といった製造プロセス全体の効率化にも寄与します。
現場で確認したいポイント
- 自社製品の電源設計において、熱対策やスペース制限が開発のボトルネックになっていないか
- 2026年中に開始されるサンプル提供のロードマップが、自社の次世代製品開発サイクルと合致するか
- SUBARUとの協業事例のように、自社のパワーシステム設計に共通プラットフォームを適用できるか
確認しておきたい点
本技術は2026年中に戦略顧客やエコシステムパートナー向けにサンプル提供が開始される予定段階であり、一般の製造業向けに広く量産・供給される具体的な時期や価格、詳細な導入プロセスについては現時点で明記されていません。
出典情報
| 出典 | PR TIMES |
|---|---|
| 発表企業 | オン・セミコンダクター株式会社 |
| 発表日時 | 2026-09-17 10:00:09 |
| 元記事 | PR TIMESで読む |