この記事の要点: 株式会社東レリサーチセンターは、時間領域サーモリフレクタンス法(TDTR)を用いて、ナノメートルオーダーの薄膜材料の熱伝導率および異種材料間の界面熱抵抗を定量評価する受託分析サービスを開始した。生成AIや自動運転システムなどに用いられる先端半導体の高性能化・高集積化に伴う発熱課題に対し、実際の製造プロセスで形成された薄膜の熱特性を直接評価することで、放熱設計の最適化を支援する。
発表内容のポイント
- TDTR法によりナノメートルオーダーの薄膜熱伝導率と界面熱抵抗を直接評価
- 実際の製造プロセス条件(成膜温度など)が熱特性に及ぼす影響を定量化
- 同社の構造解析・組成分析技術と組み合わせ、熱特性変化の要因解析まで対応
発表の背景
生成AIやスーパーコンピューターの普及、パワー半導体の高性能化に伴い、デバイス内部の局所的な発熱対策が急務となっている。従来、熱シミュレーションや放熱設計では文献値やバルク材料の物性値が使われていたが、実際のナノ薄膜や界面の熱特性はこれらと異なる場合があり、設計精度向上のために実測データが求められていた。
何が発表されたのか
本サービスは、超短パルスレーザーを用いて試料表面の温度変化を測定するTDTR法を導入。厚さ150nmのニッケル薄膜の測定では、一般的なバルク材料の数値を大きく下回る熱伝導率が実測され、薄膜評価の重要性が示された。また、成膜温度の違いによるSiN薄膜の熱伝導率変化など、製造プロセス条件が熱特性に与える影響も定量的に把握できるため、材料設計や成膜条件の最適化に活用可能である。
製造業・生産管理への見方
半導体や電子デバイスの製造現場において、積層される薄膜の熱特性や界面熱抵抗は、製品の信頼性と直結する重要な要素である。本サービスにより、実際の製造ラインで成膜された薄膜の熱伝導率を直接測定・評価できるようになるため、熱シミュレーションの精度が大幅に向上する。これにより、試作段階での熱設計のズレを減らし、放熱性能低下の要因解明や開発プロセスの効率化に貢献することが期待される。
現場で確認したいポイント
- 自社で設計・製造するデバイスの薄膜材料や積層界面において、熱シミュレーションと実機挙動に乖離がないか
- 成膜温度や膜厚などのプロセス条件変更に伴う熱特性の変化を定量的に把握できているか
- 熱特性の低下が発生した際、構造解析や組成分析と連携した要因究明プロセスが確立されているか
確認しておきたい点
本サービスは受託分析サービスであり、測定可能な薄膜の材質や厚みの具体的な制限範囲、および分析にかかる納期や費用については、個別に対象試料の仕様を提示して確認する必要がある。
出典情報
| 出典 | PR TIMES |
|---|---|
| 発表企業 | 株式会社東レリサーチセンター |
| 発表日時 | 2026-09-14 11:10:01 |
| 元記事 | PR TIMESで読む |