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バッテリー市場は供給過剰へ。製造現場に求められる「歩留まり95%」への挑戦

マッキンゼーが2035年に向けたバッテリー市場予測を公開。増産競争から、コスト・歩留まり・供給網を重視する製造プロセス改革への転換を提唱しています。

生産現場のシステムNAVI編集部
バッテリー市場は供給過剰へ。製造現場に求められる「歩留まり95%」への挑戦

この記事の要点: マッキンゼー・アンド・カンパニージャパンは、2035年に向けた世界のバッテリー市場と製造競争力の変化を分析したホワイトペーパーを公開しました。世界のバッテリー需要は2035年に6.8TWhまで拡大する見通しですが、足元では供給過剰と価格競争が激化しています。これからの製造企業には、単なる生産能力の拡大ではなく、製造プロセスの効率化や歩留まりの早期改善といった「ものづくり」の真の実力が求められます。

発表内容のポイント

  • 2035年の需要は6.8TWhに達する一方、2025年時点で約900GWhの供給過剰が発生
  • 新ライン立ち上げ時のスクラップ率は最大80%に達し、歩留まり改善が収益の鍵を握る
  • 競争力維持には、生産開始から18カ月以内に歩留まり95%以上、OEE85%以上が必要

発表の背景

世界のバッテリー需要はEVや蓄電システム(BESS)の普及により急成長を続けていますが、同時に供給過剰と激しい価格競争に直面しています。2025年のバッテリーパック価格は過去最低の108ドル/kWhまで下落しました。市場が拡大してもすべてのメーカーが利益を確保できるわけではなく、競争の軸は「増産」から「コスト・歩留まり・供給網の最適化」へと移行しています。

何が発表されたのか

報告書によると、新規バッテリー工場の立ち上げ初期にはスクラップ率が70〜80%に達するケースがあり、この廃棄ロス削減が原材料の値下げ交渉以上のコスト効果を生むと指摘されています。優秀な工場では、生産開始から18カ月以内に歩留まり95%以上、総合設備効率(OEE)85%以上を達成することが目標とされます。これを実現するため、ドライ電極コーティングや高速スタッキング、デジタルツイン、インライン解析などの高度な製造プロセスの導入が不可欠です。

製造業・生産管理への見方

日本の製造業や生産管理部門にとって、本報告は「技術開発」だけでなく「量産立ち上げのスピードと精度」が勝敗を分けることを示唆しています。全固体電池の商用量産は2030年以降と予測されており、当面は既存のLFPやNMC電池の製造プロセスをいかに磨き上げるかが重要です。日本が強みを持つ材料技術や製造装置、品質管理手法を、いかに早く高歩留まりな量産ラインへ落とし込めるかが、今後のDXや生産管理における最大のテーマとなります。

現場で確認したいポイント

  • 新規生産ライン立ち上げ時におけるスクラップ率の推移と、その低減対策が確立されているか
  • ドライ電極コーティングやデジタルツインなど、次世代の製造プロセス技術の導入検討状況
  • 原材料調達から中流工程(正極・負極材など)を含めた、地政学リスクに強い供給網の構築状況

確認しておきたい点

本報告書に示されたコスト削減効果や全固体電池の性能予測などはマッキンゼーによる試算値であり、実際の導入効果や開発進捗は各メーカーの技術水準や市場環境によって変動する可能性があります。

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出典情報

出典 PR TIMES
発表企業 マッキンゼー・アンド・カンパニージャパン
発表日時 2026-09-02 10:56:03
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