この記事の要点: 台湾のエバー航空(EVA Air)は、米国在台協会(AIT)およびマイクロソフトと共同で、持続可能な航空燃料(SAF)の活用に向けた協定の拡大を発表しました。この取り組みでは、台湾のフォルモサ・ペトロケミカル(FPCC)が供給する、使用済み食用油(UCO)を原料としたSAFを使用します。これにより、航空輸送における温室効果ガス排出量の削減と、グローバルサプライチェーンにおける低炭素化の標準化を目指します。
ニュースのポイント
- 使用済み食用油を原料とし、ISCC認証を取得したSAFを台湾出発便で導入
- 従来のジェット燃料と比較して、ライフサイクル全体の温室効果ガスを約80%削減
- ISCCのクレジット移転システムを活用し、マイクロソフトのScope 3排出量を削減
背景
航空業界における脱炭素化の要求が高まる中、エバー航空は顧客需要と業界の供給能力を合致させることで、SAF市場の活性化を図っています。今回の協定拡大は、航空輸送のカーボンフットプリント削減を目的としており、国際的な持続可能性基準であるISCC(国際持続可能性カーボン認証)システムに準拠した生産プロセスと原料調達が採用されています。
何が起きたのか
本取り組みで導入されるSAFは、従来の燃料と比較してライフサイクル全体の温室効果ガス排出量を約80%削減する効果があります。この環境価値は、国際的な登録機関である「ISCCクレジット移転システム(CTS)」を通じて追跡・管理されます。これにより、荷主であるマイクロソフトは、自社の航空貨物輸送に伴う間接排出量(Scope 3)の削減実績として適切に計上することが可能になります。この仕組みは、サプライチェーン全体の排出削減を求める企業の需要を刺激し、SAFの普及を後押しすると期待されています。
製造業・生産管理への見方
製造業のサプライチェーン管理において、輸送部門におけるScope 3排出量の削減は極めて重要な課題となっています。本件のように、航空会社、燃料製造メーカー、そしてIT大手が連携してSAFの供給網を構築する動きは、部品や製品の国際輸送を空路に頼る製造業にとって、自社の環境負荷低減に直結する先進事例です。特に、使用済み食用油などの廃棄物を再資源化するプロセスや、そのトレーサビリティを国際認証制度(ISCC)で担保する仕組みは、製造業における資源循環やグリーン調達の基準作りの参考になります。
現場で確認したいポイント
- 自社の国際物流・航空輸送におけるScope 3排出量の算出方法と現状の把握
- 調達・物流パートナーがSAFなどの低炭素輸送オプションを提供しているかの確認
- サプライチェーン全体の環境価値を証明する国際認証(ISCC等)に関する情報収集
確認しておきたい点
SAFの普及には、初期の製造コストの高さ、供給量を拡大する上での物流面の複雑さ、国・地域ごとに異なる規制枠組みへの対応など、依然として多くの課題が残されている点に留意する必要があります。
出典情報
| 出典 | eplaneai |
|---|---|
| 公開日時 | 2026-08-27T06:00:28.000Z |
| 元記事 | eplaneaiで読む |