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NTT、AIとロボットによる「解釈可能な自律成膜」を実証

NTTは、AIとロボットを連携させた自律成膜基盤を構築し、実験サイクルを約3倍に高速化。さらに、最適化プロセスから人が理解・転用できる成膜ルールを抽出することに成功しました。

生産現場のシステムNAVI編集部
NTT、AIとロボットによる「解釈可能な自律成膜」を実証

この記事の要点: NTT株式会社は、AIと自動化技術を融合させ、薄膜成長(成膜)を自律的に最適化する「解釈可能な自律成膜」技術を実証しました。この技術は、成膜から評価、次の条件決定までを自動で繰り返す自律最適化ループを構築するものです。従来の技術者による実験運用と比べてサイクルを約3倍に高速化し、次世代パワー半導体材料である「β-Ga₂O₃(β型酸化ガリウム)」の高品質な単結晶薄膜の作製に成功しました。

発表内容のポイント

  • 自動成膜・自動評価・AI最適化を連携し、実験サイクルを従来の約3倍に高速化
  • スパッタ法では困難とされていた高品質なβ-Ga₂O₃単結晶薄膜の作製に成功
  • ブラックボックス化を防ぎ、人が理解・転用できる成膜ルールをAI解析で抽出

発表の背景

新材料や半導体の開発において、成膜プロセスは温度やガス流量など多数の条件が品質を左右するため、効率的な条件探索が求められていました。近年は機械学習を用いた自律実験の取り組みが進む一方、AIが導き出した最適条件のプロセスがブラックボックス化し、「なぜその条件が良いのか」を人間が理解できない課題がありました。そのため、他の材料や装置に知見を応用・転用することが困難でした。

何が発表されたのか

今回開発された基盤は、自動スパッタ成膜、自動光学評価、ベイズ最適化による条件決定を連携させたものです。装置内でのウェハ自動搬送や、評価データに基づく予測モデルの更新を自動でループ化しました。この自律探索により、サファイアウェハ上での成膜条件を最適化し、さらにその条件をβ-Ga₂O₃基板上へ転用することで高品質な単結晶薄膜を実現しました。加えて、蓄積されたデータをランダムフォレスト手法で解析し、「温度と酸素流量を重点的に調整する」という、人が理解・実行可能な成膜ルールを抽出。このルールに沿って再最適化を行い、さらに膜の品質を向上させることに成功しました。

製造業・生産管理への見方

本技術は、半導体や電子部品の製造プロセスにおける「実験・試作フェーズ」の大幅な効率化と高度化をもたらします。特に、大面積化や低コスト化に有利でありながら高品質化が難しかったスパッタ法において、高品質な単結晶薄膜を実現した点は、次世代パワー半導体の実用化を加速する足がかりとなります。また、熟練技術者のノウハウやAIの探索結果を「誰もが使えるルール」として可視化・共有できるため、製造現場における技術伝承や、異なる生産ライン・装置へのプロセス転用を容易にするDX推進のモデルケースと言えます。

現場で確認したいポイント

  • 自社の半導体・新材料開発プロセスにおいて、成膜や評価の自動化ループを適用できるか
  • ベイズ最適化やランダムフォレストなどの機械学習手法を導入・運用できる体制があるか
  • 熟練者のノウハウや実験データを、組織全体で共有・転用可能なルールとして蓄積できているか

確認しておきたい点

現行のシステム構成では、ウェハをロードロックへセットする作業や、成膜後のサンプルを光学測定部へ移送する作業の一部に人手を介しているため、完全な無人化には至っていない点に留意する必要があります。

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出典情報

出典 PR TIMES
発表企業 NTT株式会社
発表日時 2026-08-25 15:00:31
元記事 PR TIMESで読む

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